テヘランで核物理学者が暗殺される
8月の中旬,イランのブーシェフル(ブシェール)原発への核燃料装填を阻止するべくイスラエルが攻撃を加えると言う情報が流れ,中東情勢が緊迫した:
- 「風雲急を告げる中東情勢」(2010年8月17日)
- 「【中東情勢】イラン側の話も聞いてみる」(2010年8月18日)
- 「【中東情勢】シュタイニッツ財務大臣(イスラエル)、米国に対イラン最後通告を要請」(2010年8月20日)
結局,イスラエルの攻撃は無く,中東情勢は沈静化したかに見えたが,なにやら怪しい動きがまた出てきたようである。イランの核物理学者2人がテヘランの別々の場所で爆弾テロに遭い,1人が死亡,もう1人が負傷したという:
"Iranian nuclear scientist killed in motorbike attack" (November 29, 2010, BBC)
死亡したのはシャヒド・ベヘシティ大学(Shahid Beheshti University)の原子力工学科に所属するマジド・シャフリアリ(Majid Shahriari)教授。
もう1人の負傷した核物理学者は同大学のフェレイドゥーン・アッバシ(Fereydoon Abbasi)教授で,同位体分離の専門家だという。同位体分離というのはウラン濃縮のことを指しているのではなかろうか?
どちらも自動車で出勤途中に,バイクに乗った男たちの爆弾攻撃に遭ったとのこと。
アフマディネジャド大統領は,これらの事件の背後には西側およびイスラエルがいる,と非難し,メフマーンパラスト報道官は「人権擁護を謳う西側諸国」とぼやかして非難している(参考:イラン国営放送)。
ちなみに例のブーシェフル原発は先の土曜日(11月28日)に運転を開始したとか。あと,イランの核問題については12月6,7日にジュネーブでEUとイランが協議する予定だが,イランは譲歩しない模様。
8月にはイスラエルによる攻撃が無かったものの,結局,別の手で阻止活動が行われているのだと思えるのだがどうだろうか?
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