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2010.11.30

太陽系外縁に木星級の天体が存在する可能性

Wired Scienceの記事から:

"Dark Jupiter May Haunt Edge of Solar System" (By Lisa Grossman, November 29, 2010)

John MateseとDaniel Whitmireという二人の天文学者が,太陽系の外縁部に木星級の天体が存在するのではないかという説を唱えている。

多くの彗星の起源は,いわゆるオールトの雲にあると言われている。銀河系の重力やオールトの雲の近くを通過する天体の影響でオールトの雲の雪玉がはじき出され,彗星のコアとなるのだと言う。

で,先の二人が過去10年間に観測された彗星の軌道を検討したところ,80パーセントは銀河系の重力によってオールトの雲からはじき出されたものだが,残り20パーセントは木星級の天体の影響によってはじき出されたものではないかと推測されるということである。

記事ではかつて唱えられていたネメシス説(参考)も取り上げている。これは,太陽から1〜2光年離れたところに暗い褐色矮星または赤色矮星,通称「ネメシス(人を罰する神)」が存在し,約3000万年ごとにオールトの雲から彗星を飛び出させては,地球にぶつけ,生物の大量絶滅を引き起こしているという説。だが,多くの天文学者はこの説を支持していないのが現状である。

しかし,3000万年ごとに大量絶滅を引き起こす「ネメシス」はいなくとも,ネメシスの姉妹で,性格ははるかに良い,「テュケー(幸運の神)」はいて,オールトの雲を揺さぶって彗星を発生させているんじゃないか?というのが今回の説である。

いまのところ,「木星級天体」は仮説にすぎず,WISE(広域赤外線探査衛星)による探査結果を辛抱強く待つしかないだろうということで記事は締めくくられている。

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レアアース問題への対応:米国の場合

ハイテク産業に不可欠な元素であるレアアース(REE)。最大の輸出国である中国が輸出を制限していることに対して先進各国は対応を迫られているが,米国の場合はどうかということについて,Technobahnが報じている:

"Rare Earth Elements in U.S. Not So Rare", (November 24, 2010, Technobahn, nature)

以前,「レアアース問題について考える」(2010年9月26日)という記事で述べたように,1964~1984年の間,世界のレアアースのほとんどはアメリカのマウンテンパス鉱山(Mountain pass)で採掘されていた。つまり,もともとはアメリカがレアアースの中心地だったわけである。

ところが,中国でレアアースの採掘・安売り攻勢が始まり,マウンテンパスは2002年に閉山,中国産レアアースが全世界を席巻することになった(市場占有率97パーセント)。

しかし,今回の中国のレアアース輸出規制を機に,状況は再び変わった。米国内でのレアアース採掘が見直され,米国内の埋蔵量調査が始まったのである。

量でいえば,米国は国産のレアアースで国内需要をまかなうことができるという話。Technobahnの記事の中でUSGSのディレクターはこう言っている:

米国内の需要は年10,000トンあるが,米国内に埋蔵されているレアアースはこの需要を何年でも満たすことができる。(Marcia McNutt, Ph.D.)

米国のレアアース鉱山の候補としては,マウンテンパス鉱山(カリフォルニア)のほか,アラスカのボカン山(Bokan Mountain),ワイオミングのベアロッジ山脈(the Bear Lodge Mountains)などが知られており,他にも全米11州に有力な鉱山の候補があるとTechnobahnの記事が伝えている。

米国の科学者は砂鉱(placer)や燐灰岩(phosphorite)からレアアースを採取する方法についても検討しているというから,さらに米国内でのレアアースの採掘可能性は広がる。


  ◆   ◆   ◆


で,日本は?という話だが,先日,双日がオーストラリアでレアアースを確保したという話である:
双日、豪からレアアース 10年間、日本の年間需要の3割を確保」(2010年11月24日, 産経ニュース)

オーストラリアのライナス・コーポレーションの推し進めるレアアース採掘プロジェクト(オーストラリア西部のマウントウェルド鉱山の開発およびマレーシアでの製錬)に参加し,同社からレアアース8500トンを10年間調達するという話(双日のニュースリリース)。

実は,別の情報源によると(参考),ライナスのレアアース採掘プロジェクトには中国企業が出資する予定だったが,オーストラリアの資源保護規制によりそれがパーになったという。今回の双日との提携は,ライナスにとって渡りに船という感じ?

遅ればせながら調達先の多様化が進んでいるようなので一安心というところか?

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2010.11.27

【功徳を積む】ウィキメディアに寄付した件

ウィキペディアで調べ物をするとき,最近はこんなバナー(?)に出くわす:

Photo

気になるので見てみたら,寄付のお願いだったわけである。

Wikimedia

そうとうお世話になっているので,たまには功徳(メリトゥス)を積むことにした。わずかながら寄付をした。

インターネット上にある情報が世界のすべてではないが,インターネット上には莫大な量の有益な情報が存在している。その有益な情報の集積地の最たるものがウィキペディアであろう。

Support Wikipedia

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2010.11.26

阿知須の「山口きらら博記念公園水泳プール」の見学に行った件

空気調和・衛生工学会という学会の中国・四国支部主催の見学会に行ってきた。絵日記みたいになるが,気にせず公開する。

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山口国体(2011年10月1~11日)などの水泳競技会場として使用されることになっている屋内型水泳プール「山口きらら博記念公園水泳プール」を業界関係者とともに見てきたのである。

↓これがメインプール(50m)

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メインプールの底は可動床で,深さを変えることができる。現在の深さは2.2mだということが電光掲示板で表示されている↓

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メインプールの観客席の上方には冷暖房用のダクトが設置されている↓

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観客席の足元にも冷暖房用の吹き出し孔が設置されている↓

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サブプール(25m)もある↓

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ただ,サブプールは天井の梁に強烈な圧迫感を感じるのが難点だと思う。

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メインプールもサブプールも床暖房が敷設されていて,選手の足が冷えないようになっているという話。ほかにも天井に遠赤外線ヒータがあったりして,いたれりつくせり。

屋上に出ると,きらら博記念公園のシンボル,多目的ホールが見える↓

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屋上には温水や冷暖房のためのボイラーや吸収式冷凍機の煙突が出ている。まだ新品なのでオブジェのようにきれいである↓

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主要熱源機器は

  • 吸収式冷温水発生器(灯油焚・空調用)×2基
  • 真空式温水ヒータ(灯油焚・暖房・給湯用)×2基
  • ペレット焚無圧式温水ボイラー(木質ペレット焚・暖房・給湯補給水用)×1基

さて,地下トンネルをくぐると:

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濾過装置の機械室にたどり着く:

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処理能力毎時200立方メートルの全自動珪藻土濾過機4基を稼働させてメインプール用の水をつくるのである。サブプール用には,これらとは別に処理能力毎時150立方メートルの全自動珪藻土濾過機2基が稼働する。

これがサブプール用の全自動珪藻土濾過機である↓

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メーカはミウラ化学

ということで,好天に恵まれた見学会だった。

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2010.11.23

【吉村芳生展】山口にすごい画家がいる

いま,山口で話題になっているのは凄まじいリアリズムの画家の展覧会のことである。

【吉村芳生展】山口にすごい画家がいる

山口市徳地に住む、吉村芳生(1950年防府市生まれ)という画家は色鉛筆やペンだけで写真と見紛うばかりの克明な作品を発表してきた。それが一堂に会しているのが,山口県立美術館で開催されている「吉村芳生展」(2010年10月27日~12月12日)である。

下の絵,屋外に展示された「コスモス 徳地に住んで見えてくるもの」(2007年)という作品の部分拡大ポスターである:

【吉村芳生展】山口にすごい画家がいる

一見,コスモスの花畑の写真のように見えるが,実際に近づいて見ると色鉛筆で描かれた作品だということがわかる。

下の絵は,新聞の一面をまる写しし,そこに自画像を書きこんだ作品,「新聞と自画像 2010年6月14日」(2010年)である:

【吉村芳生展】山口にすごい画家がいる

吉村芳生は若き日にアンディ・ウォーホルに衝撃を受け,現実を写し取ることに執着するようになった。芸術というのは表現であり,表面的なものなのだという考えに基づいて,あれこれ理屈をつけずにひたすら書き続けているのが潔くかっこいい。

今回の展示では,上述の作品の他,自分の顔を365日,写真にとり続け,それらを9年に渡って丹念に模写した「365日の自画像」(1981~1990年),2009年の一年分の新聞の一面に自画像を書き込んだ作品などが展示されており,会場を訪れた老若男女はいずれも驚嘆していた。

山口近辺の人はぜひ一回は見てみるべき。

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2010.11.12

【お蔵出し】徳山動物園のマレーグマ・ツヨシ

先月,職場の親睦会のようなもので徳山動物園に寄った.その時に悩めるマレーグマとして有名なツヨシを見てきたのだが,写真をアップするのを忘れていたので,今更ながらアップする.

ツヨシはシワシワなので,すぐわかる.向こうからのしのしと歩いてきたところ↓.

Tokuyamatsuyoshi03

手前を通り過ぎるところ↓

Tokuyamatsuyoshi01

手前を左右に何回もうろついた後,後妻のマーヤに追い払われて,奥の岩山のような所に座りこんだ.頭を抱えて悩んでいるのかと思いきや↓

Tokuyamatsuyoshi04

ボーっと観客の方を眺め始めた↓

Tokuyamatsuyoshi02

マレーグマはかわいいが,何を考えているのかわからん.

ツヨシは体長130cmと小柄.2010年8月24日に23歳になった.人間で言うと50歳ぐらいらしい.

ツヨシの人気は根強い.こんなサイトがあるとは知らなかった:
 徳山動物園の大人気者!「マレーグマ ツヨシくん」ドットジェイピー


  ◆   ◆   ◆


「おまけ」

徳山動物園は園内も小ぶりだが,動物もわりと小ぶり.その中で少数ながら巨体を誇っているのがゾウ・キリン・カバ・白クマだが,カバと白クマはだらだらと寝ていた:

Tokuyamakaba

Tokuyamashirokuma

飢えていなければ,こんなもん.

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2010.11.11

ベニシアのせい

最近,我が家では「ベニシア」がブームである.

Venetiasbook

京都の大原に住んでハーブを育てている,あの女性のことである.

本まで買ってしまった.

ベニシアを知ったのは「猫のしっぽ,カエルの手」というNHK番組を見てからだが,それ以来,我が家では庭いじりをしたり,植物を育てたりというのが盛んになってきた.

その余勢を駆って,豆苗(とうみょう:エンドウの新芽)の栽培までやってみた.

Tomyo01

一度,料理に使った豆苗の根の部分を水につけておいて育てているのである.

Tomyo02

よく観察すると,切ったところからまた芽が出るのではなく,脇から新しい芽が出て伸びていることがわかる.

十分伸びたらまた食べるつもり.


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2010.11.08

宇部まつりに行った

昨日,ツマとともに宇部まつりの見物に行った.

宇部市役所付近で様々なイベントが繰り広げられ,いつも静かな宇部中心部がこの日ばかりは大賑わいだった.どこからこれだけの人が湧いてきたのだろうか?

↓なんか「長崎くんち」みたいなのもいるし,

Ubematsuridragon

↓トラックぐらいある船の山車も出ているし,
Ubematsuriube

↓自衛隊が隊員募集を兼ねて,先頭車両の展示をしているし(これは82式指揮通信車だとか).
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小生らの目的は屋台(食べ物)である.ワールドキッチンとかいう屋台村が,市役所の駐車場に出ていたので寄ってみた.

Ubematsurimorocco

大阪からわざわざ,モロッコ料理の店が出ていた.あとは,ペルシャ料理屋とタイ料理屋があった.で,小生はモロッコ料理屋でレンズ豆のスープ(300円)とケバブライス(600円)を注文.

ケバブライスはこんな感じ:

Ubematsurikebabrice

この店の料理はどちらかというと薄味だったが,まあおいしかった.

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2010.11.05

USS MOMSEN (DDG 92) called at Shimonoseki port. 米駆逐艦モンセン(マンセン),下関に来航の巻

今日(2010年11月4日)の夕方,ツマとともに下関に向かった.

Momsenkanmon

何があるのかというと,在福岡米国総領事館のお招きで,このたび下関に来航した,米海軍駆逐艦,USSモンセン(DDG92)のレセプションに参加するためである.Momsenはマムセンと呼ぶ方がいいのかもしれないし,モムセンと呼ぶ方がいいのかもしれない.Wikipediaだとマンセンである.よくわからんが,米軍のパンフレットではモンセンになっているので,モンセンと呼んでおく.

下関第一突堤に着いた時にはもう真っ暗で,外観はあまりはっきりと見られなかった.

Momsenout1

Momsenout2

さて,いよいよ乗艦.
"Rise above"というのは「突破せよ」という意味で,この駆逐艦の名前の由来であるモンセン中将のモットーらしい.

Momsenlogo

乗艦してしばらくしたら,艦長のワイリー中佐(どうも小生とほぼ同年齢らしい)とか下関市長とか市議会副議長とかの挨拶で,レセプションが始まった.

Momsenreception1

Momsenreception2

なんかアメリカンな感じの大味な雰囲気の大きなケーキがあったんだけど,今年は日米同盟50周年ということが書かれていた.

Momsencake

"USA-Japan, 50 years, 1960 - 2010, A Lasting Partnership"ということである.

そういえば,以前,「米軍が日米同盟を説明する漫画を配っています」(2010年8月6日)という記事を書いたのを思い出した.何だかんだ言って,最も長く強い信頼関係があるのはアメリカだったりする.

レセプション中に艦内見学が実施されたので参加してみた.

↓これは艦内の廊下.

Momsencorridor

↓これは兵士の食堂.

Momsendining

↓食堂のコーヒーはスタバである.

Momsenstarbucks

↓これは士官の会議室.士官は30人,下士官は249人乗り組んでいるらしい.案内してくれた下士官は「この会議室に入るのがゴールだ」と言っていた.

Momsenmeetingroom

↓これは艦橋の様子.やっぱり眺めがよかった.

Momsenbridge1

あと,写真は撮れなかったが,CIC(Combat Information Center,戦闘指揮所)も見学させてもらえた.自衛艦の見学では絶対に見せてもらえないエリアなので,いい経験になった.CICは電子機器の保護の為,物凄く冷房が利いた空間となっていた.

船内のある区画ではドアにハロウィーンの飾り付けがあった."I love dad"とか書いてある.乗組員の子供たちが送ってきたんだろうと思う.

Momsendoor

小一時間見学をし,レセプション会場でパイケーキなどをつまんだり,コーヒーをこぼしたりした後(例のケーキは予想通り,アメリカンな大味だった),艦を降りて家路についたのであった.

土曜日には一般向けの見学会があるとかいう話であるので,近隣の方は行ってみたらどうかと.


【2010年11月8日加筆】
USS MOMSEN (DDG 92)の諸元を加筆しておく.

略歴:
 就役: 2004年8月28日フロリダ州パナマ市
 作戦歴:
  2006年9月 「不朽の自由作戦-フィリピン(OEF-P)」の一環として海上阻止作戦(E-MIO)に従事
  2008年3月~10月 「不朽の自由作戦」および「テロとの戦い」支援のため,エイブラハム・リンカーン打撃群の作戦行動に参加

クラス: アーレイバーク級(イージスシステム搭載)

排水量: 9,200t (満載時)
全長: 155.1m (509ft)
幅: 20.1m (66ft)
喫水: 9.9m (32.5ft)

推進力: LM2500ガスタービンエンジン(10万馬力)4基
スクリュー: 2基
スピード: 30ノット以上
航続距離: 20ノットで4,400カイリ

武器:
 垂直発射システムミサイル96室
 SH-60Bヘリコプター2機
 12.75インチ魚雷6管
 近接防空システム(CIWS)

以上,USS MOMSENが用意した資料より.

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