【中東情勢】イラン側の話も聞いてみる
昨日、「風雲急を告げる中東情勢」(2010年8月17日)という記事で書いたように、イスラエルがイラクの核関連施設を爆撃するかも、という情報が流れている。
一方で、「そんなこたぁねぇ」という話もある。情報を恣意的に集めれば、話をどうにでもでっちあげられるからだ。
シナリオ・プランニングのやり方では、未来は予測不可能ということを前提に、複数の未来の状況とそれに対する対策を準備しておく。つまり、あれこれ未来を想定しておいて、それに対して準備するのが肝要ということである。
今回の危機においても、爆撃の有無のほか、アメリカの対イラン工作などによっていくつかの状況が生まれる可能性があるわけだが、真剣にそれらを検討し、対策を準備している国はどれだけあるだろうか?
と偉そうに書いたが、小生は何も考えていない。今のうちに車のガソリンを満タンにしておくぐらいか?
◆ ◆ ◆
昨日の記事では米国のソースばかり引用していたが、今度は当事国の情報を拾ってみることにした。
【イスラエルのメディア】
イスラエルの最有力紙:イェディオト・アハロノトのサイトを覗いてみた。
しかし、今回の危機に関しては、アメリカのボルトン元国連大使がFOXニュースで「イスラエルがイランを攻撃する機会はあと数日だけだが、すでにその機会を失ってしまったのではないかと思う」という旨の発言をしたという「外国の」情報しか出ていなかった。
まあ、当事国が「攻撃する/しない」などというニュースを流すわけはないか。
あとは、「エルサレムやハイファやテルアビブの公共施設の地下に、生物化学兵器による攻撃に対する大型シェルターを建設中」、というニュース:"Israel's 'Judgment Day' shelters"があるぐらい。
【イラン国営放送】
防御側、ということになるイランでは、外務省の報道官による公式のコメントが出ている:「ブーシェフル原発への攻撃には対抗措置」(2010年8月17日)
あ、小生は例の原発を「ブシェール」と書いていたが、「ブーシェフル」の方が正しいのですな。訛ってすみません。
メフマーンパラスト報道官のコメントは以下の通り:
- ブーシェフル原子力発電所が攻撃された場合、相応の対抗措置を取るだろう
- イランに対するイスラエルの脅迫は、繰り返されてきたため、本来の効果を失っている
◆ ◆ ◆
ということで、ボルトン発言とメフマーンパラスト発言は同じ結論に至っている:
「イスラエルの攻撃は無い」
と。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- アフガニスタンからネパール人救出中(2021.08.18)
- カブール落つ(2021.08.16)
- デモクラシーの正統性と社会経済システムの正統性(2021.02.10)
- 奴隷商人にして篤志家の銅像をブリストル港にポイ捨て(2020.06.08)
- OECDの予測値がえらいことに|Japan hardest hit!(2020.04.09)
コメント