« 【科学史研究】知的財産権史略 | トップページ | またペリカンが来た »

2010.04.07

住宅用太陽光発電パネルの普及率は日照時間と関係があるのか?

日照時間の長い地域ほど太陽光発電が普及しているのではなかろうか、と考えた。
そこで、新エネルギー財団の太陽光発電のページ:
http://www.solar.nef.or.jp/index1.htm
と気象庁の「過去の気象データ検索」:
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
をもとに住宅用太陽光発電パネルの都道府県別設備容量と日照時間の関係を検討してみた。

下の表は、1994年度から2007年度までの都道府県別住宅用太陽光発電システムの設備容量の累計値[kW]、平成17年国勢調査による都道府県別人口、これらから算出した人口1000人当たりの設備容量[kW]、さらに各都道府県の県庁所在地の気象台/測候所で観測された年間の日照時間[h]をまとめたものである。


設備容量(1994~2007年度合計)[kW]都道府県別人口(H17)人口1000人当たり設備容量[kW]日照時間(1971~2000年平年値)[時間]
北海道15,51256277372.761774.8
青森3,58714366572.501675.6
岩手15,018138504110.841739.7
宮城25,154236021810.661842.6
秋田3,19511455012.791597.4
山形6,38012161815.251653.3
福島26,579209131912.711783.1
茨城36,487297516712.261886.8
栃木33,587201663116.661938
群馬28,150202413513.912037.7
埼玉66,72870542439.462007.2
千葉50,24760564628.301860.8
東京55,913125766014.451847.2
神奈川50,24587915975.721920.6
新潟13,19424314595.431651
富山11,08911117299.971599.6
石川7,48611740266.381667.5
福井10,31882159212.561610.2
山梨18,91088451521.382128.7
長野46,106219611420.992095.7
岐阜30,558210722614.502085.8
静岡72,345379237719.082037.7
愛知81,572725470411.242053.4
三重23,665186696312.682018.8
滋賀26,686138036119.331833.2
京都25,11626476609.491734.3
大阪62,93988171667.141967.1
兵庫66,236559060111.851965.8
奈良18,563142131013.061837.6
和歌山15,335103596914.802083
鳥取7,80760701212.861762.4
島根10,97974222314.791729.6
岡山38,669195726419.762009.8
広島49,614287664217.252004.9
山口29,408149260619.701895.2
徳島15,71380995019.402044.4
香川23,461101240023.172076.8
愛媛22,958146781515.641967.9
高知9,99379629212.552120.1
福岡78,276504990815.501848.5
佐賀25,98686636929.991884.2
長崎34,547147863223.361867.6
熊本52,171184223328.321964.5
大分24,920120957120.601948.4
宮崎35,435115304230.732108.4
鹿児島38,393175317921.901918.9
沖縄13,25813615949.741820.9

1000人当たりの設備容量が最も多いのは宮崎県である。さすが太陽に恵まれた県である。設備容量が最も少ないのは青森県。やはり日照時間が短いからだろう。

「1000人当たり設備容量 ∝ 普及率」とみなせば、日照時間の長い地域ほど太陽光発電が普及しているといえそうである。一応、確認のため、「日照時間 VS 1000人当たり設備容量」のグラフを書いてみた。

Photo

一応、日照時間と1000人当たり設備容量との間に正の相関が見られた。しかし、ばらつきが非常に大きい。つまり、日照時間以外のものが太陽光発電の普及に影響しているということだろう。例えば戸建住宅の比率とか、一戸当たりの面積とか、県民所得とか社会経済的要因が絡んでいるのだろうと思われるのだが、続きの分析は今後の宿題。


  ◆   ◆   ◆


【2010年8月18日加筆】
Rを使って、都道府県別の太陽光発電システムの導入実績(1000人あたりの累積設備容量)で日本地図の塗りわけを行ったので、以下公開する。

Capacity_2

都道府県別設備容量累積値(1994~2007年度・1000人あたり)


Daylight

都道府県別年間日照時間(1971~2000年平年値)

|

« 【科学史研究】知的財産権史略 | トップページ | またペリカンが来た »

アカデミック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 住宅用太陽光発電パネルの普及率は日照時間と関係があるのか?:

» 大好きな彼との復活愛 [大好きな彼との復活愛]
彼の心を取り戻す秘策と言えば、 [続きを読む]

受信: 2010.04.08 09:41

» ウィニングロボの競馬予想 [ウィニングロボの競馬予想]
これからのあなたは週末が待ち遠しくなります。 [続きを読む]

受信: 2010.04.08 09:54

» 元彼との復活愛マニュアル [元彼との復活愛マニュアル]
書店では手に入らない内容です! [続きを読む]

受信: 2010.04.08 10:22

« 【科学史研究】知的財産権史略 | トップページ | またペリカンが来た »