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2010.04.30

【自分用メモ】ウクライナ前首相、温室効果ガス排出枠代金260億円流用の疑い

あとで調べるべきニュースなどをメモしておく。

その1 排出権取引スキャンダル

美人政治家として知られるウクライナ前首相チモシェンコ氏(どうでもいいけど、ロシア語の"Ti"って「ティ」というよりも「チ」に聞こえるんだよね)が、先日行われた選挙活動のために、ウクライナが日本など各国から得た温室効果ガス排出枠代金260億円を流用したとの情報:

日本含む排出枠260億円、ウクライナ流用か」(2010年4月29日、読売新聞)

2009年、日本はウクライナに対して温室効果ガス排出枠1500万トン分、200億円を支払ったという。残り60億円は他の国の購入分である。それにしても日本の比率が大きい。

 ◆   ◆   ◆

その2 パオロ・バチガルピの小説"THE GAMBLER"を読まねば

パオロ・バチガルピ(Paolo Bacigalupi)の小説がここで公開されている。

ラオスが舞台だというので読んでみたいのだが、すぐ忘れる。GWに読もうと思う。

 ◆   ◆   ◆

その3 タリム盆地の白人ミイラ

さっき、ケーブルテレビの「ナショジオ」のチャンネルで見たドキュメンタリーに関して。

このネタ(「古代中国人は白人だった」)をもう少し調べてみようかと思う。

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2010.04.29

【西京シネクラブ】「湖のほとりで」を観てきた

先週の土曜日の話になるのだが、アンドレア・モライヨーリ監督「湖のほとりで」(2007年イタリア、95分)をツマとともに観てきた。主催は西京シネクラブ、会場は山口県教育会館。

原題は"La ragazza del lago"で、英語に直すと"The girl by lake"。

Laragazzadellago

あらすじ: 
湖のほとりで、少女アンナの遺体が発見された。遺体には抵抗した形跡がないことから、顔見知りによる犯行だと推測された。この事件をサンツィオという刑事が追う。捜査を進めるにつれて、アンナの秘密や村の人々の家庭の問題が明らかになっていく・・・という話。サンツィオ自身も妻が若年性アルツハイマー(だと思う)にかかっており、娘を妻に会わせることができないまま、という家庭の問題を抱えている。

感想:
ミステリーに分類される映画だと思うが、難しい謎ときは無い。捜査が進むにつれて、人々が抱える家庭の問題が明らかになっていくという課程が面白い。ただ、サンツィオの捜査は結構強引で、次から次へと村人に恫喝めいた尋問を行い、あろうことか、真犯人ではない、アンナのボーイフレンドを留置所に入れたりするのはいかがなものだろうか?

あと、伏線らしいものがあちこちに張り巡らされているのにもかかわらず、結局それらが事件には結びつかないこともいかがなものかと思われた。たとえば、アンナがなぜアイスホッケーをやめたのかという謎(その理由の一端はわかるが、完全な理由はわからない)、アンナの父親の病的なまでのアンナに対する愛情、等など、数々の謎が放置されたまま映画は終わる。

悪い映画ではないが、消化不良気味。ただ、サンツィオの娘、フランチェスカをやっている女優が安良城紅みたいでかわいかった。

原作は、ノルウェーのカリン・フォッスムの"Don't Look Back"で、映画では舞台をノルウェーからイタリアに移している。

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原作では張り巡らされた伏線、放置されたままの謎はどう扱われているのだろうか?

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2010.04.26

うるい(おおばぎぼうし)を食す

小倉の井筒屋(コレット)の地下食材売り場を夫婦でうろついていたら、「うるい」という珍しい食材を発見したので、早速購入した。

Urui

ネギっぽいものだが、実はユリ科の山菜だという。本名はオオバギボウシ(大葉擬宝珠)。サラダ、おひたし、みそ汁の具などに適しているという。うちではサラダとみそ汁にしてもらった。

味はあっさり、食感はネギのような感じ、というかネギよりはやわらかく、サクサクしている。かむと粘り気がある。

山菜だから、自分でも取れるかな、と思ったら、良く似た毒草があるので、素人は採取をやめた方がいいようだ:
オオバギボウシ(ウルイ)とバイケイソウ(有毒)」(東京都薬用植物園)

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2010.04.23

【ブログ】ブックマーク備忘録

めったに行かないサイトのブックマークを消去して、ブラウザのブックマークを整理することにした。その代わり、今回消去するブックマークをここにメモしておくことにする。

以上、能書き終わり。ようするに自分用のメモとして以下、たまにしか行かないブログのリンク先を記録しておくわけである。

「好古」
http://sumena.exblog.jp/
皇なつき先生(「双界儀」などのキャラデザイン、「中国帝王図」のイラストでご存知のイラストレーター)のブログ。2008年2月以来更新がないのだが、ご無事だろうか?

「ほにゃま~れの一寸そこまで」
http://blogs.yahoo.co.jp/kometrennsport
山口県下の近代遺産などを撮り続けている人のブログ。高解像度の写真多数。21世紀の郷土史家というべきか?

「黄色いらくがき帳 あの人は気が狂って死にました。南無。」
http://hakkiri-ie.iza.ne.jp/blog/
otherさんとかいう人のブログ。2008年で更新が止まっていたのだが、この4月に復活。テレビから政治からあれこれ評論して興味の範囲が広い。

「外道スタイル」
http://gedo-style.net/
いろんな「ジェネレータ」を置いているサイト。ここに置かれている「ジェネレータ」というのは、有名人がしゃべっている映像の上に好きな言葉を字幕としてかぶせることができるウェブプログラムのことである。ジェネレータを使うと、故はらたいら氏とか滝川クリステル氏がコメントしているかのようにみせることができる。

「裂斬ブログ 植田まさし風 似顔絵ジェネレーターVer2.0」
http://blogs.yahoo.co.jp/retsuzangames/10876116.html
これも「ジェネレータ」であるが、この「ジェネレータ」は植田まさし(「コボちゃん」とか描いている4コマの大家)が描いているかのようなキャラクターを製造するウェブプログラムである。輪郭とか皺とか服とかいろいろ変更できる。計算してみたんだけど、組み合わせは1,369,368,000通りもある。

「絵美の日記」
http://d.hatena.ne.jp/sfujinaga/
非常に傲慢な女性の日記。ひと月に1回ぐらいしか更新していない。実は創作(架空の人の日記)かもしれん。

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椅子に関するブログじゃないんですが・・・

当ブログのタイトルは「椅子は硬いほうがいい」なのだが、椅子に関するブログではない。

しかしながら、「椅子に関する資料はないんですか?」というお問い合わせがあったりしたので、ニーズには応えておこうと思う。

しらべてみると、椅子の硬さが直接腰痛に影響するわけではない。大事なのは、やわらかい椅子は姿勢を悪くしてしまうため、腰痛がおきやすいということである。逆に言えば、硬い椅子は姿勢が崩れにくいので、腰痛防止につながるということになる。

椅子と姿勢について詳しく述べているのはこのサイト:
腰痛改善大作戦 ~椎間板ヘルニアからの脱出経験~
ここのサイトの「椅子の選び方」を読むと良い。

しかしながら、「硬い椅子はダメ」とはっきり言っているサイトもある:
筋肉性腰痛の方へお願い」(島田カイロプラクティック)。

硬い椅子がダメだと言う理由として、「上半身の重みが、全部腰にかかる」ということを言っている。専門家の意見なので無視できないが、小生の経験からすると柔らかい椅子の方が腰痛がひどくなったような気がする。

小生としては「硬い椅子」->「姿勢が崩れにくい」->「腰痛防止」という説をとりたい。


 ◆   ◆   ◆


そういえば、今を去ること5年ぐらい前、ブログの書き始めの頃に、「なぜ硬い椅子のほうが良いか」という記事を書いたのを思い出した。


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2010.04.22

【八日目の蝉】子連れ逃亡劇【Mother】

うちはケーブルテレビに加入しているので、普段は日テレ24とかスーパードラマTVとかディスカバリーチャンネルとかナショジオとか、ようするにいわゆる地上波(民放とかNHKとか)をあまり見ていないのだが、最近、2つのドラマだけはちゃんと見ている。

ひとつは『八日目の蝉』(NHK、火曜午後10時)で、もうひとつは『Mother』(水曜午後10時)である。

『八日目の蝉』は不倫相手の子供を奪って逃亡する女性(檀れい{金麦。鼻の形が残念。})の話。

『Mother』は虐待された子供を連れて逃亡する女性(松雪泰子)の話。

どちらも子連れ逃亡劇ということでは共通である。日テレのウェブページに「母性は女性を狂わせる」というキャッチコピーが書いてあったが、これは『八日目の蝉』にも当てはまることで、非常にうまい言葉である。

『八日目の蝉』は角田光代原作だが、英訳版まで出ているとは知らなかったよ:

(英文版) 八日目の蝉 - The Eighth Day
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 ◆   ◆   ◆

【2010年4月29日加筆】
上述のドラマ、「Mother」の医事監修、小生の高校の時の同級生が担当しているとのこと。
この記事の産婦人科医、生月弓子氏である: 「産休困る」職場の空気 (YOMIURI ONLINE、2006年3月7日)

まあ、ご立派になられたもんだわねえ。

 ◆   ◆   ◆

【2010年5月5日加筆】
昨晩、『八日目の蝉』を観終わったわけで。

あっさりしたラストだったけど、薫/恵理菜(北乃きい)、生みの母・恵津子(板谷由夏)、そして育ての母希和子(檀れい)、三者の現在の立場を考えると、新しい人生を歩むべき薫/恵理菜にとっては、希和子の「薫」という呼びかけに対して視線を返すだけに留めておくことが最もよい返事の仕方だったと思われる。

あと、文治(岸谷五朗)はすごく良かった。

さあ、今晩は『Mother』。

 ◆   ◆   ◆

【2010年5月7日加筆】
一昨日、『Mother』を見たが、これは"mother"ならぬ"mothers"すなわち母たちの話であるという印象を得た。

鈴原奈緒(松雪泰子)が玲南/継美(芦田愛菜)をかばい、望月葉菜(田中裕子)が奈緒をかばうことによって、それぞれ母となるわけである。

あと、芽衣(酒井若菜)が母となることを選択するかしないかという話もまたサイドストーリーとして存在している。

前回も今回も奈緒と葉菜の間で長い会話が交わされた。まるで橋田須賀子ドラマのようであるが、このドラマの特徴であり、重要な部分。

このドラマ、難があるとすれば、伏線を張り巡らせすぎなのでは、ということである。奈緒と玲南/継美、これからどうなっちゃうの?という一番大事な筋道に、葉菜と藤子(高畑淳子)の過去の謎とか、芽衣の妊娠とか、駿輔(山本耕史)の怪しい行動とか、あれやこれや盛り込みすぎなのではなかろうか?

それは好みの問題だとは思うが、今のところ、『八日目の蝉』の方が完成度が高いと小生は見る。

 ◆   ◆   ◆

【2010年5月13日加筆】
加筆ばかりで長くなる本記事。それでも気にせず加筆する。

『Mother』の脚本を書いている坂元祐二氏、拙宅で評判のNHKドラマ『チェイス 国税査察官』の脚本も手がけている。

このブログ記事:「橋本リウ詩集 『チェイス~国税査察官~』第2回 届かぬ父の思い」の

「Mother」 の児童虐待バカ男にしてもそうですが、見ていてムカツクヤツを書かせたら、ピカイチですね坂元サンは。

という感想には賛成の一票を投じる。

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2010.04.20

【上海万博】岡本真夜、大人の対応【2010等ニー来】

上海万博のPRソングが岡本真夜の「そのままの君でいて」のパクリなんじゃないかという疑惑が持ち上がっていたが、上海万博実行委員会からの(おそるおそるの?)使用申請に対し、岡本真夜がOKを出したということである:
『上海万博に協力でき光栄』 岡本真夜さん、曲使用を容認」(アサヒコム、2010年4月19日)

岡本真夜の大人の対応によって、一件落着となりそうな気配。

2008年五輪のときのCG花火、少女口パク、そして今回のPRソング騒動と、国際イベントがある度にインチキが発覚する中国。

だが、それでも今回は騒動直後のPR曲使用停止、そしてパクリ元へのお問い合わせというように、対応の仕方が低姿勢になってきた。以前だったら、「似ているが中国オリジナル」と居直っていたに違いない。中国も世界の目を非常に気にするようになってきた。

あと、今回の盗作疑惑は中国国内のネットで起こったことであり、民度も上がってきたようだ。そういえば、北京五輪以来、中国の内陸部の都市でもバス停に人が並ぶようになった。

 ◆   ◆   ◆

【2010年4月20日追記】
今朝になって、中国側の水面下もみ消し工作が明らかになってきた:
上海万博、パクリもみ消し工作判明」(2010年4月20日、デイリースポーツ)

なお、騒動の影響で、岡本の「そのままの君でいて」は、最新のレコ直総合ランキングで、圏外から30位に上昇した。

と同記事は締めくくられている。岡本真夜に臨時収入。

 ◆   ◆   ◆

【2010年5月13日追記】
「岡本真夜に臨時収入」と書いたが、本当にそうなった様子。
あの事件を題材にした曲、「パクッてシェイシェイ」の件」に関連情報をちょっと記載。

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2010.04.16

日本の繁栄度は世界16位: 英レガタム研究所発表

イギリスにある、レガタム研究所(Legatum Institute)がこのたび、国別の繁栄度(Prosperity Index)を発表した。

結果はフィンランドが1位、スイスが2位、スウェーデンが3位、デンマークが4位、ノルウェーが5位というように、寒い国が上位を占めた。日本はアジアトップの16位だった。

繁栄度を計算するための指標は以下の9つ:


  • Economic fundamentals:経済の基礎的条件
  • Entrepreneurship and innovation:起業家精神と革新性
  • Democratic institutions:民主主義制度
  • Education:教育
  • Health:保健衛生
  • Safety and security:安全と治安
  • Governance:統治能力
  • Personal freedom:個人の自由
  • Social capita:社会資本

30位までを書き出すと、こんなかんじである:


  1. フィンランド
  2. スイス (Democratic institutionsで1位)
  3. スウェーデン
  4. デンマーク (Governanceで1位)
  5. ノルウェー (Education, Safety and security, and Personal freedomで1位)
  6. オーストラリア
  7. カナダ
  8. オランダ
  9. アメリカ (Entrepreneurship and innovationで1位)
  10. ニュージーランド (Social capitalで1位)
  11. アイルランド
  12. イギリス
  13. ベルギー
  14. ドイツ
  15. オーストリア (Healthで1位)
  16. 日本
  17. フランス
  18. 香港 (Economic fundamentalsで1位)
  19. スペイン
  20. スロベニア
  21. イタリア
  22. ポルトガル
  23. シンガポール
  24. 台湾
  25. チェコ
  26. 韓国
  27. (※27位)イスラエル
  28. (※27位)ハンガリー
  29. ポーランド
  30. ギリシャ

フィンランドは全ての指標で世界10位以内に入っており、秀才型の得点の取り方である。日本は社会資本が平均程度だそうで、これが足を引っ張っているようである。

ギリシャは経済危機といいつつ30位には入っている幸せな国である※。

※ちなみに4月15日のスパモニ、「ちょっと待った!総研」で玉川がギリシャの経済危機についてレポートしていたが、おかしいと思った点が2つあったので指摘しておく。

(1) エレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港からアテネ市街に向かう沿道に建築途中で放棄された建物があった件: 小生は2005年から数回、アテネを訪れているが、以前から建築中止状態の建物は散見された。べつに今回の経済危機のせいじゃないと思う。

(2) 野菜が高値になっていた件: 野菜1キロが鶏肉1キロよりも高いということを物価高の証拠のように取り上げていたが、物価高だったら、どれもこれも高くなるんじゃないの? 経済危機前と後とで比較しないと意味が無い。

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2010.04.13

【書評】宮武久佳『知的財産と創造性』(みすず書房)を読んでみた

随分前に購入したまま放置していた本を読んでみた。

宮武久佳『知的財産と創造性』(みすず書房、2007年1月)

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本のタイトルに「知的財産」とあるが、この本が取り扱っているのは主として著作権である。産業財産権である特許や商標には12章あるうちの1章ずつがあてられている程度である。だからタイトルとしては『著作権と創造性』というほうが良いのではないかと思う。

この本では、デジタル化の進展に伴って著作権が身近な問題となっていること、そのことを具体例によってわかりやすく紹介している。例えばこんな感じ。

ある人が書店で本の一ページをデジカメで撮影した場合、つまり「デジタル万引き」をした場合、この人を窃盗罪に問うことも著作権の侵害として訴えることも難しい。

なぜなら窃盗罪は有体物に対して適用するものであって、本の内容のような無体物の持ち出しに対して適用することはできないからだ。また、著作権に関しては「私的使用」条項という抜け道があって、複製した内容を私的に使用する場合には罪に問えないのである(「第3章 著作権法は時代遅れか」参照)。

著者はこのような例を持ち出して現行の著作権の限界を指摘する。ただし、今後の著作権はこうあるべし、というような性急な結論は導かない。「デジタル時代にふさわしい法体系の構築が必要なのではないか」(本書51ページ)という控えめな問いかけにとどめている。

著作権=コピーライトというのはコピー=複製をコントロールする権利のことである(本書56ページ参照)。そしてその権利は誰に帰属するかというと著作者=クリエイターに帰属する。

ここで面白いのが、パンフレットの著作権は印刷屋、記念写真の著作権は写真屋に属するという話である(第4章 創作する人とお金を出す人)。

だから依頼人が印刷屋に無断でパンフレットを複写機で増刷したり、あるいは写真館で撮ってもらった家族写真を年賀はがきに流用したり、ということは著作権の侵害になる。

これは複製技術が一般の人々の手になかった時代には起こりえなかった事態である。かつては一般の人がパンフレットを増刷しようとすれば印刷屋に頼むしかなかったし、年賀はがきに家族写真を載せようとすれば、写真屋に頼むしかなかった。つまり著作者が複製技術を独占していたので、著作権の問題は発生しなかったのである。

しかし、デジタル化の浸透によって事態は一変する。一般の人が複製を行うことが可能になった一方で、著作権に対する意識は浸透していないままである。著作権の侵害は日常茶飯事となった。

著者は「日本社会は、あうんの呼吸に頼りすぎて『契約』に疎い面がある」(本書67ページ)。「お客は、もっと著作権ルールへの関心を持つべきではないだろうか」(本書68ページ)と、この章を結んでいる。

以上、2つの例を示したが、他のネタも非常に面白い。本記事の読者諸兄も機会があれば、この本を実際に読んでみると良い。

さて、最後にこの本の論述のスタイルについて述べよう。著者の宮武久佳氏は共同通信社の人である。本書の各章では著作権に関する具体的な問題が取り上げられ、整理され、最後に読者への(著者自身への)問いかけが行われる(各章の多くは「だろうか」という疑問で閉じられる)。

この論述スタイルは典型的なジャーナリストのスタイルである。「かくあるべし」というような決め付けをしないこのスタイルは、現在進行形の問題(デジタル化時代の著作権)に対して最もふさわしいものであると思う。

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2010.04.12

【お蔵出し】先月、津和野に行ったわけで【その4:津和野名物「源氏巻」】

さて、太鼓谷稲荷神社だの、森鴎外記念館だの、SLだの、長々と綴った津和野の話もこれでおしまい。最後に銘菓:源氏巻の話を書く。

源氏巻は由緒正しい菓子であり、忠臣蔵にも関係している。そのあたり、富永次郎『日本の菓子』(現代教養文庫310)を引用する。

Nihonnokashi

小麦粉に鶏卵、砂糖をまぜ、うすくのばして、外側を狐色にこがし、内側でこし餡を巻く。厚さ1.5センチくらいの平たい菓子。忠臣蔵の桃井若狭之助は津和野藩主亀井茲親のことだそうである。吉良義央に恥かしめを受けた藩公が相手を斬って捨てようとただならぬ状況になったとき、家老の多故外記が、吉良をなだめて難なきを得た。多故が進物にしたのがこの「源氏巻」だという。(富永次郎『日本の菓子』(現代教養文庫)、pp. 127 - 128)

源氏巻の由来を忠臣蔵に求めるあたりは史実と物語がごっちゃになっているので、まあ、あまり信じなくてよい。いろんな名物の由来を左甚五郎とか山本勘助に求めるぐらいの、よくあるパターンである。

源氏巻のメーカーは津和野に10軒ほどあるらしい。小生らはそのうちの山本風味堂なる店に行った。なんでかというと、作っているところが見られるからである。

Genjimaki04

このように餡子を生地の中央に一直線に置いて、

Genjimaki05

手早く巻くわけである。

Genjimaki03

小生らは3箱ほど買い求めて家で食べた。非常においしかった。読者諸兄も折あらば食べてください。

というわけで津和野の話はおわりである。

Tsuwano

さよなら津和野の街並み。

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【お蔵出し】先月、津和野に行ったわけで【その3:SL C56 160】

前記事からのつづきである。

新山口から津和野の間はご存じのとおり、SLやまぐち号が運行されている。

で、小生たちが津和野を訪ねた折(2010年3月21日)、ちょうどよく、SLが来ていたので鉄道ファンに交じって撮影した。

C5601

駅で待機するC56 160。

C5602

単独でどっか行っちゃったな―と思ったら…

C5603

後ろ向きに戻ってきた。そして、

C5604

駅で待機しているディーゼル機関車に向かっていく。

C5605

接続完了。なるほど、SLとディーゼル機関車の重連なのだな。きっと山道をSL一台で越えるのは厳しいのに違いない。

C5606

C5607

C5608

そして、列車は進む。

このあと、列車はもう一度プラットフォームに入り直し、お客さんを乗せて新山口に向かっていったのであった。

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【お蔵出し】先月、津和野に行ったわけで【その2:森鴎外記念館とかカトリック教会とか】

前記事の続きである。太鼓谷稲荷神社への参拝後、今度は1キロぐらい離れたところにある森鴎外記念館に向かった。

森鴎外はここ、石見の国、津和野の生まれである。「余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス」という遺言は有名である。

小生は鴎外の小説をあまり読んでいない。「阿部一族」と「最後の一句」と「舞姫」ぐらいか?

小生にとって鴎外とは関川夏雄・谷口ジロ―『秋の舞姫』の鴎外である。

Akinomaihime『坊っちゃん』の時代 (第2部) (双葉文庫)

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1989年、つまり20年以上前にこのマンガを読んで以来、ここに描かれていた鴎外のイメージがこびりついてしまっている。

で、鴎外記念館を訪れたことによって印象が変わったかというと全然そういうことはなかった。

ただ、第一大学区医学校(現・東京大学医学部)本科の成績(卒業席次)が芳しくなく、大学に残れなかったというエピソードはここで初めて知った。文部省派遣留学生になれなかったので、陸軍軍医となり、陸軍派遣留学生になるといういわば抜け道エリートコースを使ったのだな、というのが小生の解釈。

上述の「舞姫」、「秋の舞姫」は留学生時代に交際したエリス(エリーゼ・ヴァイゲルト)に関する作品なのであるが、エリスが日本に来たこと、そして本名がエリーゼ・ヴァイゲルトであることが横浜発行の英字紙の記事によって裏付けられた(中川浩一氏が突き止めた)という話は、この鴎外記念館で初めて知った。

鴎外記念館のそとには鴎外の旧宅がある。

Ogai01

庭に植えられた桜がほころび始めていた。

Ogai02


さて、森鴎外記念館のあとは、津和野駅周辺の街並み探訪である。殿町といわれるあたりに行った。

津和野に来るまで知らなかったのだが、ここはキリシタン殉教の地として知られているのだそうだ。どういうことかというと、明治元年に長崎から153人のキリシタンが送られてきたが、そのうちの36人が津和野藩の改宗の勧めに応じず、拷問で命を落としたのだという。

このエピソードによって、津和野はキリスト教信者にとって重要な地となり、マリア聖堂や津和野カトリック教会などのキリスト教建築が立てられるようになった。小生らはこのうちの津和野カトリック教会に行ってみた。

Kyokai01

たいそうご立派なゴシック建築の教会であるが、殿町の街並みを乱すことなく、調和して建っている。ドイツ人によって昭和6年に建てられたものだというが、ネットで調べると、そのドイツ人がシェーファになっていたり、ヴェケレーになっていたりする。一体どっちなんだ。

Kyokai02

中に入るとステンドグラスが光り輝いて非常に美しい。あと、椅子が並んでいるのではなく、畳が敷いてあるという、いわば和洋折衷のインテリアが面白い。

カトリック教会を後にして、小生らが向かったのは、津和野藩の藩校、養老館である。

Yorokan01

もとは別のところに立っていたのだが、火災で焼失し、安政2年(1855)に改めてこの殿町に建設された。西周や森鴎外は幼少期にここで学んだという。

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【お蔵出し】先月、津和野に行ったわけで【その1:願成就温泉から太鼓谷稲荷神社】

先月21日(2010年3月21日)、いい天気だったので(スギの花粉は飛び回っていたが)、ツマとともに津和野にドライブに行った(宇部からだと片道2時間ぐらいだったかなぁ?)。その時の旅行記を今頃書くわけである。

津和野は山陰の小京都と呼ばれる町である。島根県の一都市で、山口県との県境に位置する。山口市から国道9号線を益田に向けて走って行った途中にある。

ちなみに津和野の5キロほど手前(山口県側)には「願成就温泉」という道の駅がある。小生ら一行はトイレ休憩のため、ここに寄ったのだが、ここには面白い地蔵が並んでいた。十二支の地蔵である。

Ganjoju

これは牛の地蔵である。古代中国に起源をもつ十二支と仏教の地蔵菩薩が合体しちゃうあたりが日本らしくてよい。

自分たちの干支の地蔵にお参りしたのち、小生ら一行は津和野への移動を続けた。

津和野に入ってすぐに向かったのが、太鼓谷稲荷神社だった。実はこの3月21日は「旧初午大祭」というお祭りだったため、えらくにぎわっていて、駐車するのも一苦労だった。

まあ、なんとか駐車してお参り開始である。

Inari01

お稲荷さんへのお参りなので、50円だか100円だか払って「油揚げ&ろうそく」セットを購入して参拝。

Inari02

5大稲荷のひとつといわれるだけあってご立派なお社である。ちなみに残りの4つは伏見稲荷、笠間稲荷、竹駒神社、祐徳稲荷だそうである。…豊川稲荷は入らんのか?

Inari03

稲荷神社といえば、こういう鳥居の行列が名物である。一基寄進するのに3万円かかるらしい。ちなみにこの日の小生は花粉症なのでマスクをしていて不審人物風である。

稲荷神社への参拝が終わったら次は森鴎外記念館にでも行ってみる。

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2010.04.09

またペリカンが来た

勤め先の駐車場にまたペリカンが来た(本ブログ1月20日記事「勤め先にペリカンが来た件」参照)。

またペリカンが来た

このペリカンたちにとって、ここは散歩コースに入っているのだろう。

座りながら糞をしてる。

またペリカンが来た

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2010.04.07

住宅用太陽光発電パネルの普及率は日照時間と関係があるのか?

日照時間の長い地域ほど太陽光発電が普及しているのではなかろうか、と考えた。
そこで、新エネルギー財団の太陽光発電のページ:
http://www.solar.nef.or.jp/index1.htm
と気象庁の「過去の気象データ検索」:
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
をもとに住宅用太陽光発電パネルの都道府県別設備容量と日照時間の関係を検討してみた。

下の表は、1994年度から2007年度までの都道府県別住宅用太陽光発電システムの設備容量の累計値[kW]、平成17年国勢調査による都道府県別人口、これらから算出した人口1000人当たりの設備容量[kW]、さらに各都道府県の県庁所在地の気象台/測候所で観測された年間の日照時間[h]をまとめたものである。


設備容量(1994~2007年度合計)[kW]都道府県別人口(H17)人口1000人当たり設備容量[kW]日照時間(1971~2000年平年値)[時間]
北海道15,51256277372.761774.8
青森3,58714366572.501675.6
岩手15,018138504110.841739.7
宮城25,154236021810.661842.6
秋田3,19511455012.791597.4
山形6,38012161815.251653.3
福島26,579209131912.711783.1
茨城36,487297516712.261886.8
栃木33,587201663116.661938
群馬28,150202413513.912037.7
埼玉66,72870542439.462007.2
千葉50,24760564628.301860.8
東京55,913125766014.451847.2
神奈川50,24587915975.721920.6
新潟13,19424314595.431651
富山11,08911117299.971599.6
石川7,48611740266.381667.5
福井10,31882159212.561610.2
山梨18,91088451521.382128.7
長野46,106219611420.992095.7
岐阜30,558210722614.502085.8
静岡72,345379237719.082037.7
愛知81,572725470411.242053.4
三重23,665186696312.682018.8
滋賀26,686138036119.331833.2
京都25,11626476609.491734.3
大阪62,93988171667.141967.1
兵庫66,236559060111.851965.8
奈良18,563142131013.061837.6
和歌山15,335103596914.802083
鳥取7,80760701212.861762.4
島根10,97974222314.791729.6
岡山38,669195726419.762009.8
広島49,614287664217.252004.9
山口29,408149260619.701895.2
徳島15,71380995019.402044.4
香川23,461101240023.172076.8
愛媛22,958146781515.641967.9
高知9,99379629212.552120.1
福岡78,276504990815.501848.5
佐賀25,98686636929.991884.2
長崎34,547147863223.361867.6
熊本52,171184223328.321964.5
大分24,920120957120.601948.4
宮崎35,435115304230.732108.4
鹿児島38,393175317921.901918.9
沖縄13,25813615949.741820.9

1000人当たりの設備容量が最も多いのは宮崎県である。さすが太陽に恵まれた県である。設備容量が最も少ないのは青森県。やはり日照時間が短いからだろう。

「1000人当たり設備容量 ∝ 普及率」とみなせば、日照時間の長い地域ほど太陽光発電が普及しているといえそうである。一応、確認のため、「日照時間 VS 1000人当たり設備容量」のグラフを書いてみた。

Photo

一応、日照時間と1000人当たり設備容量との間に正の相関が見られた。しかし、ばらつきが非常に大きい。つまり、日照時間以外のものが太陽光発電の普及に影響しているということだろう。例えば戸建住宅の比率とか、一戸当たりの面積とか、県民所得とか社会経済的要因が絡んでいるのだろうと思われるのだが、続きの分析は今後の宿題。


  ◆   ◆   ◆


【2010年8月18日加筆】
Rを使って、都道府県別の太陽光発電システムの導入実績(1000人あたりの累積設備容量)で日本地図の塗りわけを行ったので、以下公開する。

Capacity_2

都道府県別設備容量累積値(1994~2007年度・1000人あたり)


Daylight

都道府県別年間日照時間(1971~2000年平年値)

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2010.04.02

【科学史研究】知的財産権史略

「科学史研究」のバックナンバーを整理しているのだが、こういう作業をしていると結局中身を読んでしまうのである。

以下は
名和小太郎、科学史入門:知的財産権と技術発展(科学史研究、45巻(2006)、pp.241-244)の内容に関するメモ:

古代・中世の知的財産権

  • 古代ギリシャ
    • 発意者の特権
    • 剽窃の禁止: 著作の盗用には破廉恥罪を適用
  • 中世ヨーロッパ
    • 「知的な生産行為は超越的な存在を模倣すること」
    • 「知的生産に関する個人的な寄与は意識されなかった」
    • 著作者に権利はなく、著作物に価値がある->著作物を集積している者(教会、大学)に権力が発生

前近代ヨーロッパの知的財産権

  • 新技術導入のための特許制度
  • 英国では14世紀から移住した職人に発明と事業化の特許状を発行
  • 特許状を"letters patent"(開封特許状)と呼んだ->"patent"の語源
  • 出版特許は出版組合の利益保護のため(著作者保護にあらず)

近代欧米の知的財産権

  • 1709年、英国で著作権法制定:出版社のほか、著作者にも権利
  • 1788年、合衆国憲法に知的財産権の保護を定める
  • 1790年、米国で特許法(発明家、企業家へのインセンティブ)と著作権法を制定
  • 1884年、パリ条約(特許制度)、ジーメンスが推進
  • 1886年、ベルヌ条約(著作権制度)、ユゴーが推進

特許制度の枠組み

  • 公示主義: 発明内容(明細書)の登録と公開
  • 審査主義: 発明内容の品質を保つため審査を行う
  • もともと製造業の発明を想定していたが、20世紀以降保護範囲が拡張(とくに米国)
    • 生命分野: 醗酵など微生物による生産方法、植物、遺伝子操作、医療行為、DNA配列
    • 情報分野: ソフトウェア、アルゴリズム、ビジネスモデル

著作権制度の枠組み

  • 無方式主義: 創作されたら権利発生
  • 複製技術への対応: WIPO著作権条約
  • 著作隣接権の新設: 演奏家、放送事業者、レコード製作者、データベース事業者の権利

特許制度の性質の変化

  • 19世紀まで: 「技術の後進国が先進国の技術を導入するための道具」
  • 20世紀後半から: 「技術の先進国が世界市場を制覇するための武器」->米国のプロパテント政策

反・知的財産権

  • 公序良俗論: 生命技術に対する特許付与への反発
  • オープンアクセス論: オープンソース運動(プログラムの公有化運動)、オープンジャーナル
  • 商業出版による寡占化: 学術雑誌のエンクロージャー

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2010.04.01

スペイン海浜の自然環境が外来植物の襲来で壊滅しそうな件

スペイン南部の海浜の自然環境がGalenia pubescensとかいう南ア原産の外来植物の猛威にさらされ、壊滅のおそれがあるとのこと:
"Exotic plant takes over dunes of Southern Spain"(Technobahn, March 29, 2010)

外来植物Galenia pubescensがびっしり生えることによって、いままで砂丘の広がりを食い止めてきた在来植物の生育が抑制され、海浜部の「砂漠化」が進むおそれがあるほか、海浜部の生態系の多様性が失われるという問題も発生するとのこと。

南ア原産植物って強い奴が多いような気がする。そういえば、うちの庭に植えたマツバギクも南ア原産。

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