【お蔵出し】先月、津和野に行ったわけで【その4:津和野名物「源氏巻」】
さて、太鼓谷稲荷神社だの、森鴎外記念館だの、SLだの、長々と綴った津和野の話もこれでおしまい。最後に銘菓:源氏巻の話を書く。
源氏巻は由緒正しい菓子であり、忠臣蔵にも関係している。そのあたり、富永次郎『日本の菓子』(現代教養文庫310)を引用する。
小麦粉に鶏卵、砂糖をまぜ、うすくのばして、外側を狐色にこがし、内側でこし餡を巻く。厚さ1.5センチくらいの平たい菓子。忠臣蔵の桃井若狭之助は津和野藩主亀井茲親のことだそうである。吉良義央に恥かしめを受けた藩公が相手を斬って捨てようとただならぬ状況になったとき、家老の多故外記が、吉良をなだめて難なきを得た。多故が進物にしたのがこの「源氏巻」だという。(富永次郎『日本の菓子』(現代教養文庫)、pp. 127 - 128)
源氏巻の由来を忠臣蔵に求めるあたりは史実と物語がごっちゃになっているので、まあ、あまり信じなくてよい。いろんな名物の由来を左甚五郎とか山本勘助に求めるぐらいの、よくあるパターンである。
源氏巻のメーカーは津和野に10軒ほどあるらしい。小生らはそのうちの山本風味堂なる店に行った。なんでかというと、作っているところが見られるからである。
このように餡子を生地の中央に一直線に置いて、
手早く巻くわけである。
小生らは3箱ほど買い求めて家で食べた。非常においしかった。読者諸兄も折あらば食べてください。
というわけで津和野の話はおわりである。
さよなら津和野の街並み。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 梅棹忠夫とモンゴル語(2024.04.10)
- 5月なのに山口オクトーバーフェスト|リターンズ(2023.05.09)
- 旧川上村の民具についての本(2023.01.20)
- 極寒のモンゴルにちょっと行ってみた(2022.12.07)
- 観光列車「〇〇の話」に乗ってきた(2022.08.15)
コメント