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2010.01.06

「先取り」という概念を知的財産権に適用してみる

CNET Japan掲載のブログ「資本主義は終わっている」(廣田尚久)の最新記事「新自由主義に対する批判について」にの中で、「先取り」という便利な概念が使われている。

著者の解説によれば、

「先取り」とは、「価値」を生み出す前に先に取ってしまう経済現象

である。

著者は典型的な例を挙げてこの概念を説明している:

サブプライムローンの例で言えば、個人レベルで「将来の収入」を先取りし、企業レベルで「将来の利益」を先取りしたと言えば分かりやすいだろう。つまり、先取りをした段階では中身のない空っぽの「価値」、すなわち、「価値」とも言えない空虚なもので、これを私は「虚の価値」と呼んでいるが、この「先取り」された虚の価値があちこちに潜り込んで、企業の活動や人々の生活を破壊したのである。

小生が考えたのは、この「先取り」という概念は知的財産にも適用できるのではないかということである。知的財産のうち、著作権で保護されるものには当てはまらない。なぜなら、著作権で保護される著作物、いわゆるコンテンツはすでに出来上がったものであるから。小生が考えているのは「発明」のことである。

現在、発明に対して値段をつけて取引することが行われているが、実際にその発明が応用され、何らかの製品が生み出された場合には正当にその発明の価値を判断することができるだろう。

しかし、特許登録されていながら実施されていない発明というのは数多くある。ましてや出願しただけの発明は実施される見込みはほとんど無い。

にもかかわらず、出願しただけの発明が取引されたり、甚だしくは出願の前に「特許を受ける権利」が売買されたりということが実際には起こっている(TLOとか)。これもまた「先取り」の一種ではなかろうか?

アイディアだけでも商売になるような事態、つまり「先取り」が横行すれば、骨を折ってアイディアを実現化するのが馬鹿馬鹿しくなって、ものづくりの現場が崩壊してしまうのではなかろうかと小生は懸念するのである。

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