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2009.06.11

山口秋芳プラザホテルの事件でインタビューを受けた件

一昨日、山口秋芳プラザホテルの一酸化炭素中毒事件に関してテレビ山口の取材を受け、昨夕(2009年6月10日)「TYS スーパー編集局」で放送されたのでご報告。

山口秋芳プラザホテルの事件でインタビューを受けた件

県下では数少ない建築設備(換気・空調)の専門家として、事故原因について話した。概要は次の通り:


  • ボイラーの故障も考えられるが、煙突がふさがれていたことが決定的な原因
  • 高濃度の一酸化炭素COを含む排気が行き場を失い、客室に流出した
  • 煙突がふさがれていたことで排気ができず、当然、新鮮な空気がボイラーに供給されず、酸素不足になり、不完全燃焼、高濃度の一酸化炭素の発生を招いた
  • もし、ボイラーが新品だとしても、煙突にふたがあったら、結局は同じ事故になった
  • この事故の前にも軽微な事故が起きていた可能性がある(実際、口コミによるとお湯が出なかったという苦情があったとか)
  • 重大事故の背景には数多くの軽微な事故、未然のトラブルがある(ハインリッヒの法則
  • ということは、清掃が行き届いていなかったり、タイルが壊れていたり、とか小さな問題が見受けられるホテルは将来大事故を起こす可能性があるので、宿泊客は要注意

なぜ、煙突にふたがされていたのか、という点が最大の謎である。
ここからは小生の推理なので、間違っている可能性があるが、一応述べておく。

  • 旧経営者が古いボイラーの使用を停止し、同時に煙突をふさいだ
  • 引き継いだ経営者がボイラーの再使用を決定したが、煙突がふさがっていることについて知らなかった

新聞報道によると、現経営陣はボイラーの点検を業者に任せきりにして、点検内容については全く知らなかったという。ひょっとしたら、業者の方も、旧ボイラーを使用しているとは知らず、新ボイラーのみ点検していた可能性もある。

今回の事件、直接の原因はボイラーの不完全燃焼だが、それを引き起こし、さらに死亡事故にまで拡大してしまったのは煙突のふたであると考えられる。

ボイラーと煙突の問題よりも背後にあり、より重大なのはボイラーの運営・管理体制の問題である。

そして、さらに背後にあるのは経営体制、とくに人の管理、情報の引継ぎ、人命にかかわる設備への充分な投資、などの問題である。

今後、警察、消防、経産省などによって事故原因や責任が明らかにされると思うが、読者諸氏は直接の原因だけでなく、背後の問題まで注目していただきたい。

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