『ラースと、その彼女』を見てきた
日曜日に宇部のシネマ・スクエア7でツマとともに『ラースと、その彼女』(クレイグ・ギレスビー監督、原題:Lars and the real girl)を見てきた。ちなみに、上映されるのは毎日朝9:40の一回だけなので、日曜日にもかかわらず早起きした次第である。
あらすじ:ラースは兄夫婦が暮らす家のガレージに住んでいる。兄ガスと兄嫁カリンは人づきあいが苦手なラースのことを心配している。ラースは職場の同僚で、ラースに思いを寄せるマーゴからも逃げ回っている。
ある日突然、ラースが女友達を兄夫婦に紹介すると言った。兄夫婦は喜んだものの、ラースが連れてきたのはリアル・ドール(ダッチワイフ)の"ビアンカ"だった…。
(あらすじ、終わり)
ラースの彼女がリアル・ドールだということに、兄夫婦ならびに町の人々は当然のように衝撃を受けるのだが、すぐに受け入れてしまう。ビアンカを教会に連れてくることを拒否せず、それどころかヘアスタイルを変えさせたり、ボランティアや洋服屋のモデルの仕事を引き受けさせたりと、ビアンカを一人前の女性として扱う町の人々の優しさにはただ感動するばかりである。
ビアンカは最後に病死するんだけど(ええっ!?)、その過程でも人々はラースとビアンカのために気を配り続ける。アメリカっていうのは、実はこういう他者への思いやりに満ちた社会なんじゃないでしょうかね?というかそうあって欲しいという願望?
上述のあらすじだと、ビアンカを真剣に愛するラースだけがオカシイ人のように見えるが、映画をよく見ると他の人々もそれぞれに変である。ラースの同僚はロボットのフィギュアに夢中だし、マーゴは少女趣味のダサ服を着て、テディベアがいたずらされる(ラースの同僚によって絞首刑にされる)と本気で怒る。教会の長老のおばさんはラースの奇行を、誰にでもあることだと言って人々に受け入れさせた。異なった価値観を持つ人々で構成された社会には排除ではなく寛容さが必要なのである。
笑って涙する映画というのは昨年見た『おくりびと』以来か。
「人形愛」に関する類似映画との比較については『撮影監督の映画批評』を参照のこと。
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