【おしゃべりコンサート】青島広志は教育者である【客は座れ】
今日(2009年5月16日)のお昼、「国際ソロプチミスト宇部」主催のチャリティーコンサート(渡辺翁記念会館)、「青島広志のおしゃべりコンサート」をツマと共に見に行った。入場料:3000円也。
チラシの写真とは異なり、ギラギラした服をまとった青島広志が登場。青島広志がピアノ&音楽の薀蓄(スゲー早口)を、テノール歌手小野勉が歌を、それぞれ担当する約1時間半のコンサートだった。17世紀から400年分のオペラの歴史を圧縮して紹介する内容である。プログラムは以下の通り:
- 歌劇「フィガロの結婚」より 序曲 W.A.モーツァルト (ピアノ演奏のみ)
- 歌劇「セルセ」より 「オンブラ・マイ・フ(慕わしい木陰よ)」 G.F.ヘンデル
- 歌劇「愛の誠」より 「日はすでにガンジス川から」 A.スカルラッティ
- 歌劇「ドン・ジョバンニ」より 「わが恋人を慰めて」 W.A.モーツァルト
- 歌劇「セヴィリヤの理髪師」より 「暁の光がさして」 J.ロッシーニ
- 歌劇「連帯の娘」より 「友よ何と楽しい日」 G.ドニゼッティ
- 【15分休憩】
- 歌劇「清教徒」より 「いとしい乙女よ、あなたに愛を」 V.ベッリーニ
- 歌劇「リゴレット」より 「女心の歌」 G.ヴェルディ
- 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲 P.マスカーニ (ピアノ演奏のみ)
- 歌劇「トゥーランドット」より 「誰も寝てはならぬ」 G.プッチーニ
- ミュージカル「学生王子」より 「セレナーデ」 S.ロンバーグ
小生はよく知らないが、ツマの解説によると、青島広志はテレビにもよく出る、オネエ口調でスッゴイ早口のピアニスト&作曲家。たしかに薀蓄は面白かった。モーツァルトの身長は148cmしかなく、その原因は成長期に演奏のため移動が多く、馬車に乗り続けていたせいだとか。ホントか?
青島広志のピアニストとしては腕前はよくわからなかった。オープニング曲「フィガロの結婚」序曲は、よくこのスピードで弾けるものだと思ったものの、小生の聞き間違えかもしれないが、ミスタッチがいくつかあったように思う。まあ、この人は作曲家、教育者、話芸の人としての仕事がメインなのだと思うので、とりたてて追求するべきところではないが。
青島広志の解説によると、ドニゼッティの「友よ何と楽しい日」ではハイツェー(高音のハ音)が頻出する。見事にこの高さの音を歌いこなせたらスタンディング・オベーションするのが決まりごととのこと。
で、小野勉はみごとに歌い上げ、宇部の聴衆(小生もツマも)は教えられたとおり、スタンディング・オベーションをした次第である。
その後のベッリーニの「いとしい乙女よ、あなたに愛を」ではさらに高いキーの音が出てくるが、小野勉はこれも歌い上げた。さすがプロ。
さて、聴衆のレベルの話。
先月、「響ホール室内合奏団」の演奏をおなじく渡辺翁記念会館に聞きに行ったが、このときの聴衆に比べると今日の聴衆は×。
ざっと見て、聴衆の9割は女性。あと、その7割は50代以上と推測される。それ自体は別にどうということはないが、チャリティーコンサートという点や青島広志という有名人のコンサートであるという点が影響しているらしく、聴衆の大半は必ずしも音楽愛好家とは思えない人々が占めていた。吉本の公演を観に来たぐらいの気分の人も居たのではないかと思われる。
演奏が始まってからも聴衆がゾロゾロ出入りしており、主催者ソロプチミストのおばさんたちも通路で立っており、ガキもうろちょろしており、再三再四、青島広志から「はやくお座りください」と叱責を浴びる始末。後ろのほうからは「オギャー」という声も聞こえた。未就学児童を連れてきちゃいかんだろう。どこからか携帯の呼び出し音も聞こえたし、休憩の後、自分の席を忘れて、彷徨する老人の姿もあった。
今日のコンサートはこうしたコンサートに不慣れな客に青島広志がマナーを教えるという面が強かったように感じた。そういう意味では面白い見ものであった。
なお、青島広志はサイン本、CD販売のため、コンサート後5分ほど滞在した後、速攻、帰路に就きましたとさ。
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