『山口の不思議事典』?
古川薫ほか編『山口の不思議事典』(新人物往来社、2007年)という本がある。
地元について多少なりとも知識を増やさねば、という思いから、図書館で借りて読んでみた。
どんなミステリーがあるのか、と期待したら、「山口県出身の八人の宰相とは?」とか、「宮本常一の業績は?」とか、それは「不思議」とは言わないのでは?と思う項目が目立った。
他にも「女忠臣蔵といわれる松田さつとは?」とか、「氏原大作の生きざまは?」とか、「大村能章とはどんな人?」とか、「小暮実千代は彦島のどこで育った?」いう、「誰それ?」という項目も。
そんなご愛嬌も多々散見される本ではあったが、以下、小生の興味を引いた項目とその回答を挙げてみる。
- サバー送りとはどんなこと?――長門市に伝わる祭りで、日本各地にある「虫送り」行事の一種である。サバーとは稲の害虫一般のことで、主としてウンカを指す。ウンカは稲株に足をとられて討ち死にした斉藤別当実盛の生まれ変わりだという。長門のサバー送りではサネモリサマとサバーサマの2体の藁馬人形が村から村にリレーされ、最後は大浦の海岸から海に投げ入れられるという話
- 全国の八割を占める、おみくじを作る神社とは?――女子道社。女性の地位向上を目指す運動の資金源として、おみくじの製造販売を開始したのだという
- 萩はなぜ夏みかんの名産地?――明治になって禄を失った旧藩士たちの新たな仕事として夏みかん栽培が始まったから
- 秋穂で車エビの養殖が始まったのはなぜ?――もともと天然のクルマエビの漁場だった→廃棄された塩田で完全養殖が始まった
- 民話、厚狭の三年寝太郎は何年寝た?――当然、三年である。三年の熟考の末、佐渡から砂金を持ち帰り、厚狭周辺の村々の灌漑・開拓に投資したのだそうだ
あと、この本を読んで初めて、常盤湖が「東洋のレマン湖」と呼ばれてきたことを知った(本当か?)
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