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2008.12.05

【景気後退】ドバイもたいしたことない

世界最高、800mのビル、「ブルジュ・ドバイ」が完成する前にドバイが沈みそうな勢いだという話:「やっぱり「砂上の楼閣」だった ドバイ不動産開発バブルの崩壊」(2008年12月5日、ダイヤモンド・オンライン)

ドバイはもともと石油資源も産業も無い小国だった(※)。クウェートからお金を借りてきて近代化を開始したのが繁栄の始り。その後、ジュベル・アリ・フリーゾーンという経済特区をつくり、海外資本(100カ国、6000社)をひきつけるのに成功。さらに沿岸に巨大リゾート地を建設し、観光都市としての側面も備えるに至った。要するに人のお金を集め、新しいプロジェクトをどんどん興して成長していくというモデルの国家である。マグロと同じで泳ぎ続けないと酸素が入ってこないので死んでしまう。

で、サブプライム問題から始まる金融危機はとうとうドバイにも及んできたようである。上述の記事によれば、ドバイにお金を貸しているのはシティバンクやロイヤルバンク・オブ・スコットランドのような左前になった巨大銀行であり、融資が継続される可能性は低いとのこと。

じゃあ、ドバイどうなるの、ということだが、上述の記事によれば、ドバイの救済を考えているのは同じアラブ首長国連邦構成国のアブダビだという話である。アブダビはアラブ首長国連邦最大の人口、経済力を持つ国である。ドバイと違うのは石油資源というちゃんとした原資を持っているというところである。ドバイは結局、人の往来で落ちてくるお金を集めて生きている国なので、景気が後退するとひとたまりも無いわけである。

ドバイは今年の秋ごろまでマスコミで持ち上げられまくりだったが、実際のGDPを見ると、あまりたいしたことが無い。


2007年実質GDP人口
ドバイ5兆4,000億円(540億米ドル※※)230万人
山口県6兆2,600億円150万人

まあ、経済規模、人口(ドバイの人口の半分は出稼ぎの人)を見る限り、小生のいる山口県といい勝負というところである。食糧生産とかを含めたら山口県の勝ちだろうと思われる。

ダイヤモンドオンラインの記事の「砂上の楼閣」という表現は的確な表現だと思う。アブダビがドバイを救いきれない場合、ドバイのメガロポリスは廃墟に、ドバイ国民は砂漠の民に戻るのであろう。

※石油は後(1966年)に海底で見つかった。
※※2008年4月ごろの1ドル=100円のレートを使用

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