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2008.12.21

ファミコン風「傘がない」

北九州出張のついでに「ヴィレッジヴァンガード」に寄ったのだけど、店内で流れていたピコピコサウンドに惹かれて買ったのがこれ:

YMCK SONGBOOK-songs before 8bit-YMCK SONGBOOK-songs before 8bit-
井上陽水 森田童子 吉田拓郎

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YMCKは「男女3人から成る8bitミュージックユニット」(同ホームページより)。要するにファミコンのピコピコサウンドで曲を作っている人たちである。このユニットがフォークソングのカバーにチャレンジしたのがこの「YMCK SONGBOOK-songs before 8bit-」である。

収録曲は:


  1. 夢の中へ(井上陽水)
  2. ぼくたちの失敗(森田童子)
  3. 人間なんて(吉田拓郎)
  4. 傘がない(井上陽水)
  5. 春夏秋冬(泉谷しげる)
  6. 満足できるかな(遠藤賢司)
  7. 言葉にできない(小田和正)
  8. 人生を語らず(吉田拓郎)
  9. まるで正直者のように(友部正人)

の9曲。

この中で小生がお気に入りなのは井上陽水の「傘がない」のカバーである。原曲は名曲として知られ、またその詞は歌詞のひとつの到達点として評価されている(参照:「交心空間 徒然雑記」「傘がない(井上陽水)」

「都会では自殺する若者が増えている」と社会問題に触れつつも、そんなことより「君」に会いに行くのに傘が無いことの方が問題だという歌詞である。個々人にとっては社会問題よりも目下の恋愛の方が大事という解釈もできるし、逆にそんな個人を嗤っているようにも解釈できる。ドラマティックかつ、どこまで深いのかわからない重層構造が魅力的な歌である。

井上陽水の独特の声によるスローテンポの原曲は、それはそれで名曲であるが、それをアップテンポにし、ヴォーカルMidori (栗原みどり)のウィスパー・ボイスで歌い上げたカバーバージョンもまたドラマチックで焦燥感の感じられる曲に仕上がっている。8bitのチープな音もまた、「せつなさ」や「はかなさ」を感じさせて良い。

同じCDに収録されている「夢の中へ(井上陽水)」や「人間なんて(吉田拓郎)」も聞いてみる価値あり。

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コメント

傘がない(井上陽水) 、この歌原曲は超暗くないですか?
それがピコピコサウンドって、すごく興味あります。

当時50代の職場の男性が好んで唄ってました。
私は井上陽水が唄っているのを聴いた事がないので、未だにその男性社員の持ち歌にしか思えません。

投稿: おじゃまします | 2008.12.22 10:16

小生も原曲は超暗いと思います。

カバーバージョンではピコピコのせいで暗さはだいぶ解消され,アップテンポのせいで,「君に会いに行かなくちゃ」という焦燥感が強調される曲になったと思います。

ピコピコバージョンはツタヤにおいてあるのではないかと思います。機会ありましたらお聞きください。

小生のまわりでも50代の九州福岡出身者がこの歌(もちろん原曲の方)を好んで歌っていました。

投稿: fukunan | 2008.12.23 12:31

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