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2008.12.23

格差社会を憂う陛下

今日は天皇誕生日であります。

毎年、お誕生日に際し、陛下がご感想をお話になられるが、今年はご健康への配慮から記者会見は無くなり、お言葉のみが公表された:

世界的な金融危機に端を発して,現在多くの国々が深刻な経済危機に直面しており,我が国においても,経済の悪化に伴い多くの国民が困難な状況に置かれていることを案じています。働きたい人々が働く機会を持ち得ないという事態に心が痛みます。
これまで様々な苦難を克服してきた国民の英知を結集し,また,互いに絆を大切にして助け合うことにより,皆で,この度の困難を乗り越えることを切に願っています。

宮内庁「天皇陛下のお誕生日に際してのご感想とこの1年のご動静」

ということで、現下の社会経済問題について深く関心を寄せられている。このようなお言葉は今回だけのものではない。

昨日の記事で紹介した森永卓郎、吉田司『資本主義はどこまで暴走するのか』でも陛下が格差社会を憂いておられることが記されているが、それは昨年の12月20日に行われたお誕生日に際しての記者会見でのことだった。陛下のお言葉を引用する:

社会格差の問題については,格差が少ない方が望ましいことですが,自由競争によりある程度の格差が出ることは避けられないとしても,その場合,健康の面などで弱い立場にある人々が取り残されてしまうことなく社会に参加していく環境をつくることが大切です。また,心の中に人に対する差別感を持つことがないような教育が行われることが必要と思います。

宮内庁「天皇陛下のお誕生日に際しての記者会見の内容とこの1年のご動静」

このように陛下が格差社会や雇用の確保についてご憂慮あそばされているにもかかわらず、バンバン非正規雇用労働者を切っている御手洗「偽装請負」冨士夫は不忠をわびて藍綬褒章を返納すべきである。

格差の解消のためには、まずは新自由主義=市場原理主義からの脱却が必要。そして、喫緊の課題はセーフティネットの整備、とくに非正規雇用労働者対策である。政治家、とくに現政権のみなさんはさっさとこれを実施しなくてはならない。それができないのならば、植草先生の言うように、総選挙=大政奉還によって危機対応政府を樹立する必要があるだろう。

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