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2008.12.15

【ジンバブエ】ハイパーインフレーション【ハンガリーの方が凄かった】

ジンバブエのインフレは相変わらず凄い様子である:「新紙幣でも「5億ドル札」発行、経済疲弊のジンバブエ 」(2008年12月15日、CNN)

Wikipediaによると2008年7月に公式発表された年間インフレ率は2億3100万%。これは凄い。元旦に100円で買えたものが、大晦日には2億3100万100円払わないと買えないわけである。

Wikipediaの"Hyperinflation in Zimbabwe"の項目を見ると、1980年4月のジンバブエ独立以来のインフレ率が記載されているので以下に引用する:

1980 7%
1981 14%
1982 15%
1983 19%
1984 10%
1985 10%
1986 15%
1987 10%
1988 8%
1989 14%
1990 17%
1991 48%
1992 40%
1993 20%
1994 25%
1995 28%
1996 16%
1997 20%
1998 48%
1999 57%
2000 55%
2001 112%
2002 199%
2003 599%
2004 133%
2005 586%
2006 1281%
2007 66212%
2008/07 231000000%

これをもとに、独立したときに1ジンバブエドルで買えたものが、今現在、何倍払わないと買えないのかを試算してみた:
Zimbabweinflation

グラフの縦軸は対数で表示している。2008年7月現在で1.1×10の15乗倍だった。1100兆倍?

しかしながら、調べてみると、ジンバブエのインフレをしのぐインフレーションがかつてあったのである。それは高安秀樹『経済物理学の発見』(光文社新書)で紹介されている、第二次世界大戦直後のハンガリーのインフレーションである。一年で物価がなんと10の30乗倍も上昇。10億兆(10の21乗)ペンゴ札なるお札が発行されたとのこと。当時はそれでもお札を使って買い物をしていたとか。

ちなみに、高安氏によると、このインフレーションは2重指数関数に従うインフレーションであったとか。つまり、横軸に終戦からの日数、縦軸にペンゴの対ドルレートの対数の対数をプロットしたグラフを作ると、直線的に表されるというのである。

それを真似して先ほどのグラフの縦軸に更に対数をかけてみるとどうなるのか見てみた:
Zimbabweinflation2

ジンバブエが独立した1980年4月から数えて、50~300ヶ月までは直線的、つまり2重指数関数に従うのだが、300ヶ月以降は急上昇している。これはまた新たなインフレーションのタイプなんでしょうかね。

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