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2008.12.27

【年末風物詩】ひょうたんツリーとお色気大根

殺伐とした記事ばかりではいかがなものかと思い、愛読紙「宇部日報」に掲載された風物詩を紹介する。

1.ひょうたんツリー(2008年12月2日、宇部日報)
飯島由三さん(78)がひょうたんを材料に仕上げたクリスマスツリーを須恵公民館で公開。
02
飯島さんは全日本愛瓢会の会員だという。そういう会があるとは知らなんだ。
クリスマスもいまや日本の伝統行事。これからは国産の瓢箪でつくりましょう。

2.お色気大根(2008年12月15日、宇部日報)
新天町の飲食店「おむすび一茶」で人の形をした大根が人気を呼んでいる。
02_2
マジックで顔を描いている・・・。長らく飾っていたので「”看板娘”はいささか疲れ気味」だったとか。経営者生田さんのコメント「お肌の曲がり角かしら。店内での会話が弾むので、もう少しがんばって」。
で、食べたの?

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安易に環境・農業を証券化するな

帰りの飛行機が遅れに遅れて、時間が余ったから普段読まない新聞を読んでしまった。その中の心配な記事がこれ:
産経新聞編集委員・田村秀男「オピニオン:証券化商品は悪か-環境・農業投資で地域に活性化を」(2008年12月26日、Fuji Sankei Business i)

記事は以下のような概要:


  1. 証券化商品が悪なのではない。ネタ(住宅ローン)が悪かった
  2. 証券化のもつ金融のダイナミズムを活用することが必要
  3. CO2排出権取引を証券化商品の新ネタにするのはどうか?
  4. 国際的な枠組みがきちんと守られればCO2排出権は暴落しない
  5. 環境関連では太陽電池、風力発電、エコカーなど値上がり期待の大きい投資分野が多い
  6. 農業でも安全で良質な有機農産物が新ネタとしてOK。
  7. 環境・農業分野のローカル性に注意するべきである
  8. 外国人投資家はすぐに金を引き上げるから要注意
  9. グローバリズムを排除すべきではないが、基本はローカリズム

これらをさらに要約すると、「証券化商品は悪くない。環境・農業の好ネタに適用すれば良い」ということになる。まあ、なんとなく聞こえの良いオピニオンだが、よく読むとボロボロ。

まず致命的なのが、4番目の「国際的な枠組みがきちんと守られればCO2排出権は暴落しない」という主張。国際的な枠組みがちゃんとしているのにもかかわらず、CO2排出権は暴落する。、「日経・JBIC排出量取引参考気配」によれば、CO2排出量1tに対する排出権価格が2008年5月19日には2791円30銭(参考気配)だったのが、2008年12月22日には1716円80銭(参考気配)である。7ヶ月で1000円以上下がっているのを暴落と言わずして何と言う?田村秀男氏はジャーナリストだそうだが、「このページ」ぐらい見たことがあるのだろうか?文章を書くにあたって、このぐらい読んでおいたほうがいい:「排出権取引市場分析:CER取引価格形成のメカニズム」(NTTデータ経営研究所:シニアマネージャー・大塚俊和)。CO2排出権価格は既に金融メカニズムの一部であり、株式市場価格の暴落に連動して暴落するのだ。

次ぎに、2番目の「証券化のもつ金融のダイナミズムを活用」という主張も危ないこと極まりない。「何しろ一単位の証券化商品がCDSなどを派生させ、数十倍、100倍以上もの金融取引に膨れ上がるのが証券化ビジネスの実績だ」と誇らしげに言うのだが、そのCDSという仕組みがリスクの拡大化を引き起こしているのがわからんのかと思う。わからなかったらウィキペディアの「CDS」の「問題点と危険性」でも読んだらどうだろうか?あと、証券化商品が本来の目的から外れて投機性の高いものに化けてしまった経緯を無視していることも問題である。

ほかにも「太陽電池、風力発電、エコカーなど値上がり期待の大きい投資分野が多い」と環境関連への投資をおすすめしているが、それなら複雑な証券化商品なんか買わないで、直接株を買ったら良い。農業分野も同じ。

環境・農業分野のローカル性というのは正しい主張であると思う。で、あるならば、環境・農業における技術開発や生産が行われている場所から離れない投資手段をとるべきで、直接の株購入かファンド設立ぐらいにとどめるのが良いだろう。なんで証券化商品なんだ?

あと、付け加えるのなら、環境・農業分野というのは成長するのにおそろしく時間のかかる分野であるということを述べたい。投資してすぐ回収ということが難しい。投資をすぐに引き上げさせない仕組みが必要で、そういう意味では従来型のダイナミックな金融システムはなじまない。なんのために平成9年に「新エネルギー法(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法)」ができたのか、田村秀男氏はその趣旨を考えてみると良い。

結局、この田村秀男氏のオピニオン作文の失敗は、「証券化商品の善悪の話」と「成長が期待される環境・農業分野への投資」の話をくっつけようとしたことに起因する。研究開発・生産への直接投資と証券化商品をごっちゃにしてはいけない。ネタが悪かったね。

田村秀男氏について調べたが、こんな記事が出てきてしまう有様:
【やばいぞ産経】田村秀男はFSX要求仕様も知らないで記事を書いていた事が発覚
田村秀男の頭の中を探る

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【生活者の視点の復権】本山美彦『金融権力』を読んだ

毎日新聞で伊藤光晴が推薦していたので読んでみたのがこれ:

金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス (岩波新書)金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス (岩波新書)
本山 美彦

岩波書店 2008-04
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アマゾンの書評を見ると毀誉褒貶が激しい書である。それだけ、衝撃度の大きい本だといえるだろう。

まずは貶めている側の弁:一番評価の低い人(「自由主義者」氏)は「物事には、常にメリットとデメリット、二つの面がある。しかし、この本は、デメリットばかり強調して、メリットを無視している。」と評しており、そのほかにも「陰謀理論」(「タマラン」氏)という評価もある。

つぎに褒めている側の弁:「一貫して庶民の立場に立った金融論」(「ヒデボン」氏)や「経済学の主要な理論の数々は強い前提の下に構築されるにもかかわらず、それが流通するうちにそんな前提は忘れられがちで、理論を構築した人間の痕跡も忘れられていくということが著者の筆致で強く思い知らされる。」(「dvrm」氏)という評価が挙げられる。

で、小生の読後の感想を述べる。まず、金融権力というものがどういうものかがわかりやすかった。米国では自由化の結果、金融に関係する組織は互いに相互監視するようになっておらず、むしろ人的交流を深めて結託するような構造になっているのである。例えば、金融界の有力者が財務長官に、会計事務所の幹部がファンド設立者に、また会計事務所や格付け会社の幹部が証券取引委員会の幹部に、というようになっているのだそうだ。日本の天下りなんか、目じゃない。

つぎに、金融権力の武器である金融工学への批判。統計的確率論が実体経済にも応用できる筈という思い込みによって成立した脆弱なものであるという指摘はいまさらながら重要。金融工学者たちは、ケインズ、ヒックスといった昔の経済学者が戒めていたことを簡単に無視して無邪気なモデルをつくり、社会を破滅に導こうとしているということである。

さらに、金融権力の形成過程。フリードマンの新自由主義->債権証券化->ミルケンによるジャンクボンド主流化->金融工学による裏づけ->投機的金融システムの巨大化という金融権力形成過程の説明はわかり易い。

しかしながら、フリードマンとモンペルラン協会(ヨーロッパ上流階級の面々で構成される「貴族にとっての自由」を追求する団体だそうだ)のつながりや、フリードマンのお墨付きを得て通貨先物取引市場を創設したレオ・メラメッドがもともとはユダヤ難民だったという興味深い説話によって、新自由主義のイデオロギー色の強さを強調するあたりが、読む人によっては「陰謀史観」に見るのだろう。しかし、

新金融理論の発展は、もちろん、学問上の進歩の帰結であろう。しかし、その裏にある強烈な反マルクス、反ケインズのイデオロギーによる人的結びつきの結果であることを軽視してはならないだろう。(122ページ)

と延べ、一見、中立性を装っている経済学の諸理論に対する注意を喚起している点は見逃してはならない。

「この本は、(新自由主義あるいは現在の金融システムの)デメリットばかり強調して、メリットを無視している。」という指摘があることを上述したが、それは新自由主義側の者が書いた本にも言えることである。新自由主義一色となっているともに、その問題点が噴出している現状では、新自由主義とその他の学説とを公平に土俵に乗せるような悠長なことをせず、デメリット強調路線でコンパクトに話をまとめることが出版戦術として正しいと思う。新書は学術書ではない。

第6章「金融権力に抗するために-新たな秩序への道筋-」は冒頭から面白い。

お金儲けは悪いことですか?」と尋ねられたらこう答えよう。「悪いことです。人を威嚇する方法で得たあなたの巨額の儲けの陰で、無数の人々が路頭に放り出された」と。(180ページ)

金儲けは悪いことである」というのは極端な言い方で、ここだけ読むと、貨幣否定、資本主義否定みたいだが、まあ、本書全体を読めば発言の意味は別にあることがわかるだろう。著者は生産に結びつかない金融が悪であると述べているのである。

あらたな秩序の萌芽として、プルードンの「相互主義」の見直し、地域と結びついた金融システムとしてのグラミン銀行やNPO銀行、生産に結び付かない利子を禁じたイスラム金融、従業員も経営に参画する「従業員持株制度=ESOP」などが挙げられている。これらは金銭的利益が小さいため、新自由主義になじんでしまった現代社会では魅力に乏しいと思う。だが、金融危機後の世界を考えるためのヒントにはなるだろう。

先日読んだこれ↓とまとめて読むと、皆さんも反新自由主義者(笑)になれます。

資本主義はどこまで暴走するのか資本主義はどこまで暴走するのか
森永 卓郎

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2008.12.24

【騙されたの?】バーナード・マドフ詐欺事件【BNPパリバ】

日本ではあまり騒がれていないが、今月の中旬に米国で発覚した巨額の詐欺事件がある:

マドフ容疑者はNASDAQ元会長。実質上無理な高配当を唄って投資を募り、あたかも投資が成功したかのように見せかけて、集めた金を配当や解約金として支払い、さらに投資を募る、という自転車操業ビジネスを展開していたという。後者の記事によるとこれは「ポンチ講」であって、「ネズミ講」ではないとのこと。

今のレートでいけば、500億ドルはおよそ4兆5000億円。麻生首相の定額給付金2兆円の倍以上の規模じゃん。関係ないけどスケールを比較するとそういうことになる。

誰が騙されているのかと思ったら、野村ホールディングス(275億円)とかあおぞら銀行(124億円)とかわが国の金融機関ほか、イギリスのHSBC、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド、フランスのBNPパリバ、ソシエテ・ジェネラルなど、ビッグネームがゾロゾロ。あんたらプロじゃないのかよと。市場原理主義者のくせに情けないことである。

今日なんかクリスマスイブでめでたい日だというのに自殺者の情報も出ている:「詐欺被害の米投資会社首脳、自殺か=損失1200億円超」(2008年12月24日、時事ドットコム)。自殺したのはフランス人デラビルシェ氏。「同氏は事件に絡んで発生したファンドの損失を取り戻そうと深夜まで事務所で働いていたという」(同記事)。なんかリーマン・ブラザースが潰れたときにファルドが言っていたリーマン最後の数週間は社員は一日20時間も働いていて大変だった」という話を彷彿とさせるのだが、同情してもらおうったってダメですよ。

それはそうと、本ブログ、「BNPパリバ」でググると上位に出るというぐらい、例の記事が看板記事になってしまっている。そのBNPパリバがバーナード・マドフに騙されたっぽいのだが、調べたら、こんなプレスリリースがさりげなく出ていた:「BNPパリバのマドフ・インベストメント・サービスに対するエクスポージャーについて」(2008年12月14日)

ようするに3億5000万ユーロがパーになるかも知れませんという話。今のレートだと442億円。BNPパリバがアーバンに約束した300億円よりも大きいじゃんとは思ったが、この金とあの金は全然話が違いますね。失礼。

市場原理主義とは結局、騙しあいに陥るということ?

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2008.12.23

格差社会を憂う陛下

今日は天皇誕生日であります。

毎年、お誕生日に際し、陛下がご感想をお話になられるが、今年はご健康への配慮から記者会見は無くなり、お言葉のみが公表された:

世界的な金融危機に端を発して,現在多くの国々が深刻な経済危機に直面しており,我が国においても,経済の悪化に伴い多くの国民が困難な状況に置かれていることを案じています。働きたい人々が働く機会を持ち得ないという事態に心が痛みます。
これまで様々な苦難を克服してきた国民の英知を結集し,また,互いに絆を大切にして助け合うことにより,皆で,この度の困難を乗り越えることを切に願っています。

宮内庁「天皇陛下のお誕生日に際してのご感想とこの1年のご動静」

ということで、現下の社会経済問題について深く関心を寄せられている。このようなお言葉は今回だけのものではない。

昨日の記事で紹介した森永卓郎、吉田司『資本主義はどこまで暴走するのか』でも陛下が格差社会を憂いておられることが記されているが、それは昨年の12月20日に行われたお誕生日に際しての記者会見でのことだった。陛下のお言葉を引用する:

社会格差の問題については,格差が少ない方が望ましいことですが,自由競争によりある程度の格差が出ることは避けられないとしても,その場合,健康の面などで弱い立場にある人々が取り残されてしまうことなく社会に参加していく環境をつくることが大切です。また,心の中に人に対する差別感を持つことがないような教育が行われることが必要と思います。

宮内庁「天皇陛下のお誕生日に際しての記者会見の内容とこの1年のご動静」

このように陛下が格差社会や雇用の確保についてご憂慮あそばされているにもかかわらず、バンバン非正規雇用労働者を切っている御手洗「偽装請負」冨士夫は不忠をわびて藍綬褒章を返納すべきである。

格差の解消のためには、まずは新自由主義=市場原理主義からの脱却が必要。そして、喫緊の課題はセーフティネットの整備、とくに非正規雇用労働者対策である。政治家、とくに現政権のみなさんはさっさとこれを実施しなくてはならない。それができないのならば、植草先生の言うように、総選挙=大政奉還によって危機対応政府を樹立する必要があるだろう。

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2008.12.22

【「構造改革」への反転攻勢】「資本主義はどこまで暴走するのか」

毎日新聞の片隅に広告が載っていたのでピンと来て買ったのがこれ:
森永卓郎、吉田司『資本主義はどこまで暴走するのか』(青灯社、1575円)
Yoshidamorinaga

アキバ好きの経済評論家として知られる森永卓郎(もりなが・たくろう)氏とへんてこな文体が特徴のノンフィクション作家吉田司(よしだ・つかさ)氏による対談集である。

短い書評(レビュー)をアマゾンの方に書いておいたが、そこでは字数制限の都合上、書ききれないことがたくさんあったので、ここに記す次第である。

この本はいわゆる「構造改革」路線への反撃の狼煙(のろし)である。「構造改革」が「自己責任」の名の下、セーフティネットを破壊し、格差社会を生み出した。いまこそ日本を「構造改革」という魔法から解放しなくては!という主張の本である。

本の内容は大きく2つに分かれる。

前半は「構造改革」を掲げる新自由主義(※)≒金融資本主義によって、平等を旨とする日本型資本主義(※※)社会が破壊された経緯の検証である。あれこれ問題を抱えながらも、日本は日本型資本主義によって格差の少ない社会を築いていたのだが、日本の富に目をつけた米国(の支配層)によって、新自由主義が強制的に導入され、旧来のシステムが破壊されたという。米国の画策だけではこれは実現しない。日本における新自由主義の展開には対米協力者(コラボレーター)の手引きがあったのだという。コラボレーターは米国留学組であり、米国支配層の豊かさに圧倒され、「日本もかくあるべし」と洗脳されて帰ってきた人々である。この本ではコラボレーターとして日銀エリート行員たちや竹中平蔵が挙げられている。日本の土地バブルとその崩壊はコラボレーターによって引き起こされたのだとか、まあ、「陰謀論」くさい感じもするが、帝国主義リバイバル版の新自由主義によって日本は1920年代に戻されてしまったというのは、歴史を学んだものとしてはわかり易い構図である。

新自由主義信奉者に対する森永氏、吉田氏の怒りは凄まじい。以下、爆発した瞬間を引用:

森永卓郎:「てめえら、金を右から左に動かしているだけで何の文化も創っていない。私すごくむかつくんですよ。やつらは音楽の話、文学の話、いま話しているような経済の歴史についての話なんかしないんですよ。金の女の話だけ。そんなやつらが、日本の支配者になっているというのが私はとても気に入らないんです(65ページ)」

吉田司:「僕は経団連会長の御手洗冨士夫のやり方についてはものすごく腹が立っているんですよ。会長職にあるキヤノンで派遣労働、偽装請負が発覚したら、法律の方が悪いから、法改正しろというやり方、ふざけんなというか(79ページ)」「(御手洗資本主義について)この本質は一体何なのかというと、偽装労働のピンはねでしょ。あるいはネットカフェの<タコ部屋>労働。これは<ヤクザ資本主義>としか言いようがないんです(80ページ)」


しかし、悲しいかな、新自由主義は格差社会で負け組となってしまった人たちから支持をうけてしまうのである。規制のない世の中だし、能力とチャンスがあれば、一発逆転、億万長者になれますよ、ということで。でもそんなに世の中甘くない。能力というのはコツコツと時間をかけて勉強しなければ身につかない。勉強を続けるためにはある程度の資金が必要。また、チャンスも情報収集能力や人脈がないとつかめない。そういうものを持つためにはやはり資金が必要。結局、お金がないと一発逆転すらできないのである。

後半は新自由主義にどう抵抗するべきかという話である(というか現時点では新自由主義は崩壊寸前なので、その崩壊後、どういう経済体制を築こうかということになる)。森永氏と吉田氏は新しいタイプの経済について模索している。森永氏としてはヨーロッパ型社会民主主義を一つの手本として考えている。また、作り手と買い手が互いに顔の見える範囲で取引をしている、アキバの「共同生産共同分配の原始共産制みたいなもの」にも注目している。

まあ金の魅力はすごいから、そんなにうまくいくのだろうか?という疑問は残る。しかし、「何でもかんでも金で買えると思ったら大間違い」という状況を作り出すことができれば、新自由主義の復活を防ぐことができるだろう。
とりあえず、リスクは売買できない、ということを今回の金融危機は示してくれたと思う。

アマゾンでの紹介:

資本主義はどこまで暴走するのか資本主義はどこまで暴走するのか
森永 卓郎

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青灯社での紹介:「資本主義はどこまで暴走するのか


※新自由主義
新自由主義は新古典派経済学に基礎を置いている。新古典派経済学の主張するところによれば、「均質で原始的な経済人のおのおのが合理的判断と完全な情報に基づき、貨幣を媒介として市場で利己的に競争しあうことにより、「見えざる手」による均衡が訪れる」(Wikipediaより)のだそうだ。

しかし、実際にはそんなことにはならない。例えば「完全な情報」などということがありえるだろうか?競争開始時点で情報が全ての人に行き渡ることなどありえない。一握りの人々に偏るのが常である。また、その一握りの人々とは大体の場合、権力か富を支配する人々である。他にもおかしいのは「利己的に競争」という点。自己犠牲など利他的行動の可能性を忘れているし、競争を好まない人々もいるということを忘れている。新自由主義とは万人が万人と争うという、野獣のごとき人間観もしくは社会観ですわ。

新自由主義の考えの下、1980年代からサッチャー、レーガン、中曽根康弘が規制緩和、国営企業の民営化、社会保障制度の見直しを開始した。この時点では新自由主義は硬直化・停滞した社会経済システムの効率化を進めるという好影響を与えた。しかし、その後、新自由主義の信奉者たちは各国の社会的な事情を考えない強引な市場のグローバル化を推し進め、資本移動の自由を確保した。さらに金融工学でフル装備してなんでもかんでも市場で取引できるようなシステムを作り上げた。日本においては究極の新自由主義は小泉純一郎&竹中平蔵による一連の経済政策である。その結果はご覧の通り。

※※日本型資本主義
日本型資本主義は1940年代から始まる統制経済の流れを汲む修正資本主義である。様々な規制があったり、談合があったりするため、その枠内では能力のあるものがその能力を出し切れないという問題がある。しかしながら、コツコツ努力すれば報われるし、オチコボレないように助けてもらえるという点は優れている。

実は麻生太郎首相の祖父、麻生コンツェルンの創始者、麻生太吉氏は1920年代の不況による農村の壊滅的状況を見て、「…巨大資本の所有を萬悪の源なりとなす」と主張し、統制経済の道を選択したとか(本書138ページ参照)。

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2008.12.21

ファミコン風「傘がない」

北九州出張のついでに「ヴィレッジヴァンガード」に寄ったのだけど、店内で流れていたピコピコサウンドに惹かれて買ったのがこれ:

YMCK SONGBOOK-songs before 8bit-YMCK SONGBOOK-songs before 8bit-
井上陽水 森田童子 吉田拓郎

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YMCKは「男女3人から成る8bitミュージックユニット」(同ホームページより)。要するにファミコンのピコピコサウンドで曲を作っている人たちである。このユニットがフォークソングのカバーにチャレンジしたのがこの「YMCK SONGBOOK-songs before 8bit-」である。

収録曲は:


  1. 夢の中へ(井上陽水)
  2. ぼくたちの失敗(森田童子)
  3. 人間なんて(吉田拓郎)
  4. 傘がない(井上陽水)
  5. 春夏秋冬(泉谷しげる)
  6. 満足できるかな(遠藤賢司)
  7. 言葉にできない(小田和正)
  8. 人生を語らず(吉田拓郎)
  9. まるで正直者のように(友部正人)

の9曲。

この中で小生がお気に入りなのは井上陽水の「傘がない」のカバーである。原曲は名曲として知られ、またその詞は歌詞のひとつの到達点として評価されている(参照:「交心空間 徒然雑記」「傘がない(井上陽水)」

「都会では自殺する若者が増えている」と社会問題に触れつつも、そんなことより「君」に会いに行くのに傘が無いことの方が問題だという歌詞である。個々人にとっては社会問題よりも目下の恋愛の方が大事という解釈もできるし、逆にそんな個人を嗤っているようにも解釈できる。ドラマティックかつ、どこまで深いのかわからない重層構造が魅力的な歌である。

井上陽水の独特の声によるスローテンポの原曲は、それはそれで名曲であるが、それをアップテンポにし、ヴォーカルMidori (栗原みどり)のウィスパー・ボイスで歌い上げたカバーバージョンもまたドラマチックで焦燥感の感じられる曲に仕上がっている。8bitのチープな音もまた、「せつなさ」や「はかなさ」を感じさせて良い。

同じCDに収録されている「夢の中へ(井上陽水)」や「人間なんて(吉田拓郎)」も聞いてみる価値あり。

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2008.12.15

【ジンバブエ】ハイパーインフレーション【ハンガリーの方が凄かった】

ジンバブエのインフレは相変わらず凄い様子である:「新紙幣でも「5億ドル札」発行、経済疲弊のジンバブエ 」(2008年12月15日、CNN)

Wikipediaによると2008年7月に公式発表された年間インフレ率は2億3100万%。これは凄い。元旦に100円で買えたものが、大晦日には2億3100万100円払わないと買えないわけである。

Wikipediaの"Hyperinflation in Zimbabwe"の項目を見ると、1980年4月のジンバブエ独立以来のインフレ率が記載されているので以下に引用する:

1980 7%
1981 14%
1982 15%
1983 19%
1984 10%
1985 10%
1986 15%
1987 10%
1988 8%
1989 14%
1990 17%
1991 48%
1992 40%
1993 20%
1994 25%
1995 28%
1996 16%
1997 20%
1998 48%
1999 57%
2000 55%
2001 112%
2002 199%
2003 599%
2004 133%
2005 586%
2006 1281%
2007 66212%
2008/07 231000000%

これをもとに、独立したときに1ジンバブエドルで買えたものが、今現在、何倍払わないと買えないのかを試算してみた:
Zimbabweinflation

グラフの縦軸は対数で表示している。2008年7月現在で1.1×10の15乗倍だった。1100兆倍?

しかしながら、調べてみると、ジンバブエのインフレをしのぐインフレーションがかつてあったのである。それは高安秀樹『経済物理学の発見』(光文社新書)で紹介されている、第二次世界大戦直後のハンガリーのインフレーションである。一年で物価がなんと10の30乗倍も上昇。10億兆(10の21乗)ペンゴ札なるお札が発行されたとのこと。当時はそれでもお札を使って買い物をしていたとか。

ちなみに、高安氏によると、このインフレーションは2重指数関数に従うインフレーションであったとか。つまり、横軸に終戦からの日数、縦軸にペンゴの対ドルレートの対数の対数をプロットしたグラフを作ると、直線的に表されるというのである。

それを真似して先ほどのグラフの縦軸に更に対数をかけてみるとどうなるのか見てみた:
Zimbabweinflation2

ジンバブエが独立した1980年4月から数えて、50~300ヶ月までは直線的、つまり2重指数関数に従うのだが、300ヶ月以降は急上昇している。これはまた新たなインフレーションのタイプなんでしょうかね。

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【マレーシア】「スーパーナチュラル」な現象によって泥棒逮捕

泥棒、侵入先で「超自然の存在」に遭遇、3日間逃げられずと」(2008年12月15日、CNN):民家に忍び込んだ泥棒が超自然の力により逃げそこね、あえなく逮捕されたという。

そもそもはクアラルンプールの地元紙、スターの報道らしいが、それをAP通信が伝え、さらにCNNが取り上げているわけである。「真偽は不明」って。確かめないまま情報がリレーされているのはどういうことだろう?

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メコン流域国について勉強中

仕事の関係上(というかどういう仕事なのだ?)、メコン流域国の歴史から勉強しているところ。

入門書として柿崎一郎『物語 タイの歴史』(中公新書)を読んでいる。これは古代のタイ族国家が誕生するところからタクシン政権崩壊までの通史である。

なじみの薄い地名が続出するので、とりあえず、白地図にお絵かきしながら読んでいる。今回はタイ族がどこから来たのかということをまとめてみた。

まず、メコン流域国の地図。「白地図、世界地図、日本地図などの地図が無料」という偉いサイトがあるので、そこから白地図をもらってきて、加工して作ったのが、これ:
Photo

そして、この地図をもとに、タイ族が移動してきた足跡を簡単にまとめたのがこの地図である:
Photo_2

タイ族の出自には様々な説があり、ある説(大タイ主義)ではアルタイ山脈のふもとから出てきたという(『物語 タイの歴史』、p16の地図)が、本当かどうかは不明。しかしながら、少なくとも中国南部から来たことは確かである。雲南省にはタイ系の民族が現在も暮らしている。

タイ族が中国から流出し始めたのは、漢族の南下に伴う結果らしい。ミャンマー方面に移動し、シャン族を形成したグループもいるが、ここではメコン川流域のタイ族の話だけにする。

メコン川に沿って南下したグループのうち、一部はマンラーイ王に率いられてメコン川を離れ、別の大河川、チャオプラヤー川上流のチェンマイに拠点を構えた。これはランナー(「百万の田」の意)王朝(1259成立)と呼ばれている。

また、そのままメコン川に沿って移動したグループはルアンプラバン周辺を拠点として14世紀半ばにランサーン(「百万頭の象」の意)王国を築いた。このグループをラーオ族といい、ラーオ族の国だからラオスとなった。

さて、地図上に点線で丸く囲っている部分には、もともとモン・クメール系民族が住んでいた。その一部が現在、カンボジアの主要民族であるクメール人である。

クメール人は1世紀ごろには扶南(=プノム?)国を建てていたと言う(最近の説ではクメール人ではないとか)。さらに、6世紀の真臘国、陸真臘と水真臘の分裂と合併を経て、9世紀頃にアンコール朝が成立する。アンコール朝は現在のシェムリアップ付近を拠点として次第に勢力を拡大し、スーリヤヴァルマン2世のとき(12世紀前半)にかの有名なアンコール・ワットを建設する。そして、ジャヤバルマン7世(在位1181~1218年)のときにインドシナ半島のほぼ全域を領土とする(クメール帝国の成立)。ジャヤバルマン7世はアンコール・トムを築いた王でもある。このころがクメール人の最盛期であり、「タイ族?誰それ?」という感じだった。

このクメール人が勢力を誇っていた領域に進出してきたタイ族のグループがあった。現在のタイ王国を建国した人々でもある小タイ族、別名シャム族である。このグループはメコン川から離れ、チャオプラヤー川沿いに南下を続け、スコータイの地からクメール人を追い出して王国を築いた(13世紀)。これがスコータイ王朝である。

大雑把に言うと、中国を出発してインドシナ半島に入り込んで来たタイ族は13世紀ごろからクメール人の領域を取り囲むように王国を形成し、またクメール人の居住地に浸透していったわけである。

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2008.12.14

2000年以上前の人の脳を発見

久々にScience Dailyのホームページを見たら、こんな記事が:
"Iron Age 'Sacrifice' Is Britain's Oldest Surviving Brain (鉄器時代の「生贄」からイギリスに現存する最古の脳が見つかった)"(2008年12月13日、Science Daily)

ヨーク大学のキャンパス拡張工事中に見つかったのだそうだ。

レイチェル・キュービットが頭蓋骨の泥を落しているとき、頭蓋骨の中で何かが動くのを感じた。中を覗き込むと、見たことの無い黄色の物質があった。

レイチェルは語る:「私は以前、古代人の脳が稀に残存するという内容の講義を受けたことを思い出しました。私たち調査チームは頭蓋骨に特別な処置を施しました。そして、専門家による医学的な見地からの意見求めました」

発見者はびっくりしただろうと思う。

日本では2001年4月に鳥取県の青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡の弥生人の人骨3体から脳が見つかったことがある。

海外では5300年程度前に死亡したと見られるアイスマンのミイラに脳が残存している。最古のものとしては、アメリカのフロリダ州の泥炭地から出土した7000年前のミイラに残存している脳がある。

エジプトのミイラは、処理過程で脳を取り出してしまっているので、残念ながら脳が残っておりません。

それにしても柔らかく失われやすい組織が残っているというのは驚異である。

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2008.12.12

F-1からEco-1へ

日本の自動車メーカー各社が減産に踏み切り、ホンダがF-1から去り、一時は通過するかと思われたビッグ3救済案が米国上院で否決の見通しとなり、自動車業界がボロボロになってきた。GMとかフォードは1900年代に創立された企業だから、今回潰れるとなると、本当に「100年に1度」の大不況となるわけである。

ここ数年、日本の経済を引っ張ってきたのは自動車業界であるから、この産業がアウトになると他の産業にも甚大な影響が出る。どげんかせんといかん(古っ)。

で、自動車業界、今後どうすればいいの?ということになるが、NIKKEI CNBCなどのニュース専門チャンネルのコメンテータの皆さんはほぼ全員、「これからは環境対応!」というご宣託を下されている。つまり、今後はハイブリッド自動車などの高効率自動車を開発、主流化することによって、新たな需要を巻き起こし、同時に環境問題を解決していくべきだということである。この意見には異議なし。

で、あれば、ついでにスピードを競うもののエネルギー効率上は問題のあるF-1はやめて、たとえばハイブリッドカーによる"Eco-1"なる別の競技を始めてはいかがかと自動車業界にご提案申し上げたい。

F-1は純粋な自動車競技としての側面とともに、自動車技術の開発に貢献してきた。しかし、ホンダが撤退を表明したところを見ると、F-1は投資効果が悪すぎるようである。で、あれば、今後、主流化が期待されるハイブリッド車のレースでも行って、そこに投入した資金が、一般自動車用の技術として効率よく回収できる仕組みを作った方が良いであろうと思う。

燃費のよさを競うレースとしては「マイレージマラソン」があるが、いまのところ地味。消費者は単に燃費だけを求めているのではなく、加速性能など走行性能を求めてもいる。そこで、F-1のスピード競技としての魅力とマイレージマラソンの省エネルギー性を組み合わせたレースをハイブリッド車で実現し、暗い話ばかりの自動車業界の中の明るい話題とすればいかがかと思う次第である。

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2008.12.11

【エコマーケティング】Dillman-Rosa-Dillman説の紹介

英語の論文は一生懸命読んでも、読み終わったら忘却することが多い。

論文の解説をすることで忘却に対する抵抗運動を始めたいと思う。ということで、今回紹介するのはエコマーケティングに関する論文である:

Don A. Dillman, Eugene A. Rosa, Joye J. Dillman, Lifestyle and home energy conservation in the united states: the poor accept lifestyle cutbacks while the wealthy invest in conservation, Journal of Economic Psychology vol. 3 (1983), pp. 299 - 315

エネルギー価格高騰時、アメリカの消費者はどのように対応するかについて研究した論文である。西部10州、8392世帯から集めたデータをもとに分析を行っている。

生活費の節約は、目先の(短期的な)省エネルギー活動との間には相関があるものの、長期的な省エネルギー設備への投資との間には相関が無いという話。

この研究以前、他の研究者は"voluntary simplicity"ということを研究していた。これは"simple living"ともいわれる生活スタイルであり、ようするに「多ければよい」という考え方を抑制することが良いという、まあスローライフの仲間のような思想である。Voluntary simplicityは結果としてエネルギー消費の低減をもたらす。

ただし、voluntary simplicityの選択はあくまでも自主性に基づくものである。RogersとLeonard-Bartonは特記すべきことを指摘している:

for example, a low consumption and low-energy lifestyle is often selected by individuals who are financially able to afford a more luxurious way of living. (Rogers and Leonard-Barton, Voluntary simplicity in California: precursor or fad?, 1980)

たとえば、省エネルギー生活はよりゴージャスな生活を送ることができるほど豊かな人々によって選択されることが多い

省エネ車プリウスを買っているのが誰なのかを考えてみたら、この指摘は現在の日本でも当てはまる話である。

さて、voluntary simplicityに関する研究とは対照的に、この論文ではinvoluntary adjustment=いやいやながらの対応について検討することにしている。つまり原油価格高騰に対して、消費者はどのように対応しているのかということである。

1980年代当時、つまりレーガン政権のころであるが、政府は価格メカニズムが省エネルギーを促すと考えていた。それは本当か、というのがこの論文の動機である。エネルギー価格高騰は住宅の省エネルギー改修などを促すだろうという意見もあれば、逆に、生活が圧迫されるので、とても省エネルギー投資なんかをする余裕がなくなり、消費者は目先の省エネ活動だけするだろうという意見もある。そのあたりの疑問を著者らは明らかにしようとしている。

で、いろいろデータだの分析結果だのが出ているが、大事な結果は以下の3つの表で表される。

ひとつはLifestyle cutback indexとHome adjustment indexの関係。Lifestyle cutback index (LCI)とは、娯楽費や教育費などの光熱費以外の費目をどれだけ切り詰めているかという指標で、Home adjustment index (HAI)とはエアコンの温度を控えめにするとかカーテンの開け閉めとか、すぐできる省エネ活動をいくつやっているかという指標である。

結果はこんな感じ:


LCI=11~19LCI=20~26LCI=27~34LCI=35~44
HAI=0~120.4%11.5%12.3%8.7%
HAI=2~337.1%41.0%31.1%31.9%
HAI=4~535.4%40.2%44.0%42.7%
HAI=6~77.0%7.3%12.6%16.6%

Goodman-KruskalのGamma(連関係数。まあ相関係数のようなもの)を求めると0.16である。つまり生活費の切り詰めとすぐできる省エネ活動には「やや関連あり」という結果である。

つぎに1980年の世帯年収とLCIの関係を見ると以下の通り:


<$10,000$10,000 ~ $19,999$20,000 ~$29,999$30,000~ $39,999>$40,000
LCI=11~1910.8%15.5%20.4%29.4%51.3%
LCI=20~2621.7%25.1%29.3%31.3%27.9%
LCI=27~3439.7%38.9%33.9%33.1%16.2%
LCI=35~4427.8%20.6%16.4%6.2%4.5%

この表のGoodman-KruskalのGammaを求めると-0.39。つまり低収入ほどすぐできる省エネ活動をやるということになる。

最後に1980年の世帯年収とEnergy action index (EAI)の関係をチェックしてみよう。Energy action indexというのは複層ガラスや太陽熱温水器などの長期的な省エネ投資を行った数を表している。


<$10,000$10,000 ~ $19,999$20,000 ~ $29,999$30,000 ~ $39,999>$40,000
EAI=023.7%23.3%17.8%17.0%10.0%
EAI=1~231.5%21.9%23.4%28.3%27.2%
EAI=3~428.3%24.1%25.6%21.4%30.1%
EAI=5~714.6%23.9%29.7%29.8%28.1%
EAI=8~141.7%6.7%3.4%3.6%4.4%

この表のGammaは0.10。弱い相関だが、一応、年収が高いほど省エネ投資を行う傾向が出ている。

以上の結果から、Dillman-Rosa-Dillmanは

  1. 消費支出の削減と目先の省エネルギー行動の間には緩やかな相関が見られる
  2. エネルギー価格高騰に対して低所得層は消費支出削減や目先の省エネルギー行動で対応するが
  3. 高所得層は省エネルギー設備投資で対応する

ということを主張している。

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2008.12.10

宇部は濃霧

「放射霧」とかいう現象で、東京方面も濃霧に包まれたらしいが、小生の住む宇部も昼過ぎまで濃霧に包まれた:「濃霧に市街地すっぽり」(2008年12月10日、宇部日報)

今朝、10時過ぎに家の外を見たら、隣の家すら見えない有様。危ないので霧が晴れてからのろのろ運転で出かけたことであります。

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2008.12.09

【ピアノリサイタル】グスタボ・ロメロ

たまには文化活動ということで、昨晩はツマとピアノ演奏を鑑賞しにアクロス福岡まで出かけた。

ピアノリサイタルは在福岡米国領事館の主催で、「福岡日米協会設立50周年」、「ガーシュウィン生誕110年」の記念行事である。演奏はグスタボ・ロメロ(Gustavo Romero)氏:
Gustavoromero01

小生らは米国領事館のご招待を受け、2階席で鑑賞することに。
ピアノ演奏がわかるような位置に座ることにした:
081208

それにしてもここのシンフォニー・ホールはでかい。1800人収容という話。

曲目は以下の通り:

  • ジョージ・ガーシュウィン
    • Song Transcriptions 「ソング トランスクリプションズ」
    • Fantasy on Porgy and Bess 「ファンタジー(歌劇「ポギーとベス」より)」
    • Three Preludes 「三つの前奏曲」
  • ヨハン・セバスチャン・バッハ
    • Chaconne 「シャコンヌ」 (ブゾーニ編)
  • ジョージ・ガーシュウィン
    • Rhapsody in Blue 「ラプソディー・イン・ブルー」 (共演:精華女子高等学校吹奏楽部)

パンフレットによると、グスタボ・ロメロ(Gustavo Romero)氏はカリフォルニア生まれのメキシコ系アメリカ人。ニューヨークのジュリアード音楽院を卒業。1989年、スイスのクララ・ハスキル・ピアノ・コンクール一位。2004年、ダラスWRRラジオ局、最優秀演奏。現在はノース・テキサス大学准教授だそうだ。ホームページはここ

パンフレットには「卓越したテクニック」と評されていたが、2階席からロメロ氏の手元を見て納得。プロだから正確に弾けて当たり前なのだが、ガーシュウィンの複雑な曲を情感込めて弾き上げていた。

なんでバッハの曲もやるのかなー、と思っていたら、ガーシュウィンが好きな作曲家の一人がバッハなのだそうだ。バッハの「シャコンヌ」も名曲、名演奏。ブゾーニ編曲のこれは無伴奏バイオリン・パルティータ2番がベースだという話。

最後の「ラプソディー・イン・ブルー」は超有名曲である。共演の高校生たちがちゃんと演奏できるか親のように冷や冷やしていたが、さすが国内はおろか、世界での優勝経験もある吹奏楽部。堂々と演奏していた。

ピアノリサイタルは9時前に終了。小生らは宇部の人間なので、ダッシュで帰路についたことであるよ。

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2008.12.08

【シカゴ・トリビューン】破産?

トリビューンが破産法の適用申請を準備、LAタイムズの発行元」(2008年12月8日、ダウ・ジョーンズ)

ロサンゼルス・タイムズ、そして、あのジャパニーズ・オバマ=ノッチを掲載したことで知られる「シカゴ・トリビューン」の親会社である、トリビューン社が破産するかもしれないという話。

パンにニュースが印刷されるようになるかもしれないこの時代、新聞各社は広告収入の減少で危機的状況にあるらしい。日本でもあの朝日新聞が100億円の大赤字だそうだ(※)。

シカゴ・トリビューンの状況について調べたら、こんなブログ記事があった:「Chicago Tribune紙、50%の紙面を広告に割くためのニューデザイン」(2008年9月30日)

シカゴ・トリビューンの窮状をうかがわせる話である。

トリビューン社が破産したら、ロサンゼルス・タイムズやシカゴ・トリビューンの発行はどうなるのだろうか?

値上げ? ページ数減少? 記事内容が三流紙化? 発行停止?

日本でも同じようなことが起こるかもしれない。今回の金融危機による景気後退は100年に1度の大事件だというし。

※どうも最近、朝日新聞の販売拡張員がピンポンピンポン鳴らしてウチに売り込みを図っているのだが、これは、この大赤字が理由なのではないかと思う。

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2008.12.07

エレクトラックスの珍発明

Electroluxという欧州の家電メーカーをご存知の方は多いことだろうと思う。

そのエレクトロラックスが変なものを開発しているらしい:"Scan Toaster"

読み込んだものをパンに焼き付けてくれる装置だという。

英国BBCが発行している科学誌"FOCUS"では、「ニュースを朝食のパンに印刷すれば、紙がいらなくなりエコロジー!」というアイディアを紹介している。

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2008.12.05

【景気後退】ドバイもたいしたことない

世界最高、800mのビル、「ブルジュ・ドバイ」が完成する前にドバイが沈みそうな勢いだという話:「やっぱり「砂上の楼閣」だった ドバイ不動産開発バブルの崩壊」(2008年12月5日、ダイヤモンド・オンライン)

ドバイはもともと石油資源も産業も無い小国だった(※)。クウェートからお金を借りてきて近代化を開始したのが繁栄の始り。その後、ジュベル・アリ・フリーゾーンという経済特区をつくり、海外資本(100カ国、6000社)をひきつけるのに成功。さらに沿岸に巨大リゾート地を建設し、観光都市としての側面も備えるに至った。要するに人のお金を集め、新しいプロジェクトをどんどん興して成長していくというモデルの国家である。マグロと同じで泳ぎ続けないと酸素が入ってこないので死んでしまう。

で、サブプライム問題から始まる金融危機はとうとうドバイにも及んできたようである。上述の記事によれば、ドバイにお金を貸しているのはシティバンクやロイヤルバンク・オブ・スコットランドのような左前になった巨大銀行であり、融資が継続される可能性は低いとのこと。

じゃあ、ドバイどうなるの、ということだが、上述の記事によれば、ドバイの救済を考えているのは同じアラブ首長国連邦構成国のアブダビだという話である。アブダビはアラブ首長国連邦最大の人口、経済力を持つ国である。ドバイと違うのは石油資源というちゃんとした原資を持っているというところである。ドバイは結局、人の往来で落ちてくるお金を集めて生きている国なので、景気が後退するとひとたまりも無いわけである。

ドバイは今年の秋ごろまでマスコミで持ち上げられまくりだったが、実際のGDPを見ると、あまりたいしたことが無い。


2007年実質GDP人口
ドバイ5兆4,000億円(540億米ドル※※)230万人
山口県6兆2,600億円150万人

まあ、経済規模、人口(ドバイの人口の半分は出稼ぎの人)を見る限り、小生のいる山口県といい勝負というところである。食糧生産とかを含めたら山口県の勝ちだろうと思われる。

ダイヤモンドオンラインの記事の「砂上の楼閣」という表現は的確な表現だと思う。アブダビがドバイを救いきれない場合、ドバイのメガロポリスは廃墟に、ドバイ国民は砂漠の民に戻るのであろう。

※石油は後(1966年)に海底で見つかった。
※※2008年4月ごろの1ドル=100円のレートを使用

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2008.12.02

【タイ】政権崩壊で空港復帰【チャムロンの勝利?】

タイの憲法裁判所がソムチャイ首相らの被選挙権を剥奪した:「タイのソムチャイ政権が崩壊 憲法裁、最大与党に解党命令」(2008年12月2日、iza)

一時は憲法裁判所がソムチャイ支持派(タクシン派)に囲まれたとかいう情報もあったので、どうなることかと思われていたが、結局は憲法裁判所の命令により、ソムチャイ首相が失職、「国民の力」党が解散ということになった。

これで一応の目的を達した反タクシン派PADはスワンナプーム、ドンムアン両空港を明け渡すことにしたようだ:「タイ反政府派、バンコク新空港再開で当局と合意」(2008年12月2日、日経ネット)

足止めされていた皆さん、良かったですね。あと、タイ周辺国に渡航する予定の小生も助かったわけである。

ここしばらくタイ情勢について「【都会VS農村】分裂するタイ」とか「「【タイ周辺国への渡航】ハブ空港変更について」とか書いてきたが、とりあえず今日の時点では反タクシン派の勝利である。

今回、あまり報道されていなかったが、PADを率いていたのはチャムロン氏(元少将、元バンコク知事)である。清廉潔白で、熱心な仏教徒として知られる政治活動家である。こう書くとチャムロン氏=善人、PAD=良い市民、タクシン、ソムチャイ=金権政治家=悪人、反タクシン派=悪の団体、であるかのようになってしまうが、そうでないことは先日の記事「【都会VS農村】分裂するタイ」でお分かりのことと思う。

今回の騒動、タイ社会ではどのように見られているかという情報は「バンコク週報」に出ている:「世調、「迷惑と感じる」が8割」(2008年12月1日、バンコク週報)。つまり、表面的にはPADが勝ったかのように見えるが、社会の支持は薄い。今回、勝利したかのようなチャムロン氏についてはまた稿を改めて書く。

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【タイ周辺国への渡航】ハブ空港変更について

とうとう起きたか、という感じである:「バンコクの空港で爆弾爆発、1人死亡・22人負傷」(2008年12月2日、ロイター)。

これはドンムアン空港(国内線)での事件とのこと。でも、激化すると、海外旅行客、ビジネスマンが最も利用するスワンナプーム空港(国際線)でも発生するかも。そうなると当分、バンコクの2空港のハブ空港としての機能が期待できなくなる。小生はタイには用事がないが、周辺国に用事があるのでハブ空港問題は重要。

タイでは現在のところ24万人あまりの旅行者が足止め中ということである。バンコクから150キロも離れた東部のウタパオ海軍基地から振り替え便が出ているということだが、一日50便がやっと、ということ。テレビを見ていたら(多分「報道ステーション」)、バンコクからバスでノンカイまで移動し、そこからラオスのビエンチャンに入り、ビエンチャンからハノイ経由で日本への帰国を目指している人もいた。ホント、大変。

東南アジア旅行(バックパッカー向け)に関する情報を集めた"Travelfish.org"というサイトがあるのだが、ここでも一連のタイの事件が取り上げられている

で、小生にとって大事なのはハブ空港たるスワンナプーム空港が当分使い物にならなくなった場合の代替案である。

Travelfish.orgが提案しているのは、ハブ空港をクアラルンプールかシンガポールに変えたらどうかということである。クアラルンプールにはAirAsia、シンガポールにはJetstarTiger Airwaysがあって、カンボジアのプノンペン、シェムリアップ、ラオスのビエンチャン、その他、タイのプーケット、ハチャイに安く飛べますよ、と薦めてくれている。

しかし、小生、バックパッカーではないし、スターアライアンスのマイラーなので、できればタイ航空の方がいいんだけど、なんとかいい航空会社は無いもんかねぇと思案中。スターアライアンスのサイトで旅程を入力して検索してみたけど、結局スワンナプーム空港経由しかなかった有様である。

タイでは12月5日が国王の誕生日である。この日までには一連の事件が収まるのでは、という話が広がっている。しかし、ソムチャイ首相の失職を予定している憲法裁判所がソムチャイ支持派(ようするにタクシン派)に囲まれたりしていて、両派一進一退の状況。小生の渡航にも暗雲が立ち込めている。シンガポール航空でシンガポールに行ってから変な航空会社でタイ周辺国に行こうか?

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2008.12.01

タイ、ベトナム、カンボジア、ラオスを比較した

なんでそんなことをしたかというと、また来年になったら、かの国々への出張があるからである。

ASEANは10カ国だが、マレーシアやミャンマーなどには用事がないので、用事がありそうな国々(メコン流域各国)のみ調べた次第。


GDP人口一人当たりGDP民族在留邦人
タイ2450億ドル約6,300万人3,720ドル大多数がタイ族、その他華僑、山岳少数民族4万人
ベトナム716億ドル約8,500万人818ドル86%がキン族、その他53少数民族5600人
カンボジア86億ドル1340万人594ドル90%がクメール人830人
ラオス40億ドル580万人678ドル60%が低地ラオ族、その他48少数民族450人

データの出典は外務省。だいたい2007年のデータである。

こうして見ると、タイがこの近辺の超大国であることがわかる。空港閉鎖している場合じゃないと思う。地域大国として責任を果たせと言いたい。

カンボジアに住んでいる日本人は1000人以上いると思ったのだが、意外に少なかった。もっとも、日本人観光客やバックパッカーがうようよいるので、瞬時値で言えば、もっといる筈。

ラオスの方がカンボジアよりも一人当たりGDPが高いのだが、そんなものだろうか?

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