« 「痛いケーキ」のブログ | トップページ | グルジア・ロシア戦争:ロシア側メディアの見方 »

2008.08.18

グルジア・ロシア戦争:「ヒトラーによるズデーテン併合」と同じ構図?

一応、停戦ということになったものの、グルジア各都市に居座り、グルジアのTVレポーターを狙撃するなど、全く臨戦態勢を崩すことの無かったロシア軍が、ようやく今日から撤退開始をすることとなった:「ロシア、グルジアからの軍撤退を18日に開始と表明・完了時期は示さず」(ロイター、2008年8月18日)

ロシアとしては国の威信に係ることなので、アメリカやヨーロッパ各国の圧力に屈して撤退したかのように思われてはいけない。そのため、撤退の完了時期については明示せず、国内世論の反応を見て撤退をすすめるという方針なのではないかと思われる。

ただ、だらだらと撤退を続けた場合、EUのロシアに対する不信は増すことだろう。すでに英国野党保守党(といっても現在の党政は与党労働党を脅かしており、政権奪回の可能性あり)のキャメロン党首は「G8からはずすぞゴルァ!」という趣旨の発言をしている:「ロシアはG8のメンバーにふさわしくない=英保守党党首」(ロイター、2008年8月18日)

西側メディアの中には、ロシアの南オセチア・アブハジア独立支援を「ヒトラーによるチェコスロバキアのズデーテン併合」になぞらえる見方もある。今回のグルジア侵攻は今までで最高に西側の警戒感を高めることになったことは間違いない。

|

« 「痛いケーキ」のブログ | トップページ | グルジア・ロシア戦争:ロシア側メディアの見方 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: グルジア・ロシア戦争:「ヒトラーによるズデーテン併合」と同じ構図?:

» メディアの謀略。イラクとグルジアの報道比較。 [罵愚と話そう「日本からの発言」]
「グルジアにひそむアイヌや琉球の神話」について  ブッシュがバグダッドを攻撃しはじめたときの報道の質量やそれを批判するメディアの政治的ポジションの偏向は、まだ記憶にあたらしい。毎日のように米兵の戦死者の数を報道していたのが、治安回復作戦の成功に反比例して報道量が激減して、いまでは、サマワがどうなっているかなんて、新聞やテレビでは教えてくれない。しかし、開戦当初のド派手な反戦・反米記事の記憶は、まだ忘れるものではないと思う。  イラク開戦時の反米記事の氾濫を念頭におきながら、今回のグルジア...... [続きを読む]

受信: 2008.08.19 06:20

« 「痛いケーキ」のブログ | トップページ | グルジア・ロシア戦争:ロシア側メディアの見方 »