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2008.07.10

排出権取引:日本から欧州に金が流出?

洞爺湖サミット終了。結局地球温暖化対策が主要議題のサミットだった。

2050年までに世界全体で50%削減…無茶な目標だと思う。だいたい、どういう道筋で実現しようとするのか? まあ、その辺はマスコミが批判しているからここでは取り上げない。

京都議定書によれば、日本は第一約束期間(2008年~2012年)中に年間のCO2総排出量を1990年の値から6パーセント削減しなくてはならない。

で、日本のCO2排出量が1990年以来どうなっているのかというとこんなありさま。

 1990年 11億4400万トン

 2000年 12億5700万トン
 2001年 12億4100万トン
 2002年 12億7900万トン
 2003年 12億8600万トン
 2004年 12億8400万トン
 2005年 12億9100万トン
 2006年 12億7400万トン

(出典:温室効果ガスインベントリオフィス

2002年以降は数値が安定しているものの、2006年は1990年から11%も伸びている。ということは「チームマイナス6%」ではなく、「チームマイナス17%」でなくてはならない。1億9900万トン≒2億トン削減という非常にハードルの高い目標となる。

産業部門は第1次オイルショック以降省エネに努めており、おそらく現在以上のCO2削減は難しい。

あと、減らしうる分野としては民生部門と運輸部門があるが、産業部門に比べてエネルギー管理が難しい部門であり、ここで17%分の削減ができるかどうかは怪しい。暑いときはクーラーを使いたい。夜中でもコンビニには開いていてもらいたい。買い物には車で行きたい。重いものは宅配便でお願いしたい。

すると、あとは京都メカニズムの活用、つまり排出権取引、先進国間の共同実施(JI)、先進国が発展途上国で行うクリーン開発メカニズム(CDM)の3つの活用しかない。

小生の予測では、日本の産業界は結局、排出権取引で2億トンを片付けるのではなかろうかと思う。

排出権取引プラットフォームによれば、排出権の価格(2008/7/7 日経・JBIC排出量取引参考気配)はCO2、1トンあたり3668円というところである。2億トンで7336億円か…。産業界全体の規模からすれば買っちゃうだろうな。そして、一般の商品に価格転嫁されるのだろう。

で、どこで排出権を買うのかというと、すでに排出量取引市場というのが動き始めているので、ここで購入することになる。NIKKEI NET(2008年3月12日)によれば、2008年は42億トン、10兆円の取引が行われる見込みである。取引額の7割はEUの排出量取引システム(ETS)で行われているということだから、日本が欧州で排出権を購入するという図式になるだろう。日本から欧州に金が流出する…。なんか、EUに嵌められているような感じがする。

温暖化問題は倫理ではなくて政治経済の話なのだと再認識。

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コメント

難しい事はわかりませんが、CO2の量は結局減ってないので環境には悪いままのような気がしますが。
気休め(排出権取引=免罪符なんかな?)の為に7336億円は高すぎるような・・・。

全く話は変わりますが、記事ランキングには依然として日本ワークス、日本インベストが上位にランクインしてますね。
Fukunanさんの読み通り、ボーナス時期だからでしょうね。

投稿: おじゃまします | 2008.07.12 11:52

排出量取引では、どこかの国のどこかの企業が排出量を減らした分(排出量の枠のあまり)を取引するので、先進国全体では一応、減ったことになるのですけどね。

日本ワークスと日本インベストが10位以内に入り続けているというのは、それに悩まされている人が多いということでは?

投稿: fukunan | 2008.07.12 13:52

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