氷室冴子先生死去
享年51。肺がんだった。
小生は中学のときに『ざ・ちぇんじ!』とか『なんて素敵にジャパネスク』などの平安朝物をコバルト文庫で読んだものである。
ざ・ちぇんじ!〈前編〉―新釈とりかえばや物語 (1983年) (集英社文庫―コバルトシリーズ) | |
氷室 冴子 集英社 1983-01 売り上げランキング : 195857 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
なんて素敵にジャパネスク (コバルト文庫) | |
氷室 冴子 おすすめ平均 王朝時代を現代感覚で 中学生くらは読んで損なし! 歴史音痴も楽しめます☆ ちょっとビックリ! こんな女の子もいたのかな。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
『ざ・ちぇんじ!』を読んだときの衝撃は凄かった。
権大納言家には、母親は違うが、顔立ちはそっくりという美しい姉弟がいた。腕白な姉は男子として、すぐ気絶してしまう弱弱しい弟は姫として育てられる。成人した後、姉は妻を娶ることになり、弟は後宮に入ることになる。さあ、どうする?と言う話である。
面白くて上下巻2日で読んでしまった。しかも何度も読み直した。そういや同級生(男ども)に貸し出したところ、誰からも絶賛されたものである。
この話、実は『とりかえばや物語』という元になった古典がある。
とりかへばや物語 1 春の巻 (1) (講談社学術文庫 293) | |
桑原 博史 講談社 1978-10 売り上げランキング : 67478 おすすめ平均 王朝文化のお笑い劇!? Amazonで詳しく見る by G-Tools |
まあ、元の作品も古典にしては面白いんだけど、やはり氷室冴子の手による『ざ・ちぇんじ!』の面白さには勝てない。
「とりかへばや」と「ざ・ちぇんじ」の比較はここに出ているので時間がある人は参照のこと。
『なんて素敵にジャパネスク』はコミック(白泉社)にもなったし、ドラマ(主演:冨田靖子、木村一八)にもなった。登場人物紹介なんかはこっち(集英社サイト)をご参照ありたし。
訃報に接して、昔読んでいたときの記憶が蘇ってきた。また読みたい。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 紀蔚然『台北プライベートアイ』を読む(2024.09.20)
- 『ワープする宇宙』|松岡正剛に導かれて読んだ本(2024.08.23)
- Azureの勉強をする本(2024.07.11)
- 『<学知史>から近現代を問い直す』所収の「オカルト史研究」を読む(2024.05.23)
- トマス・リード『人間の知的能力に関する試論』を読む(2024.05.22)
コメント
!!!えぇーっ!マジっすか!?(驚きすぎて鳥肌が!)
ご冥福をお祈りします。
『ざ・ちぇんじ!』の姉弟の夫婦生活のアレコレはどうなるんだろう??と、お子様だった私なりに心配し、ドキドキハラハラして読んだ事を思い出しました。
『なんて素敵にジャパネスク』もそうですが、主人公の女の子が女女してないのが好きでしたね。
投稿: おじゃまします | 2008.06.07 16:44
『ざ・ちぇんじ!』の綺羅中将(姉)の男らしさもさりながら、女東宮の暴れん坊ぶりも良かったと思います。登場する女性陣が極めてサバサバしていて、それが作品の魅力だったのかも。
投稿: fukunan | 2008.06.08 08:48