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2008.05.31

浅田彰大学院長のお言葉

今年(2008年)4月1日からあの浅田彰先生が京都造形大学の大学院長にお成りあそばした:
おや、浅田彰先生が・・・」(弊ブログ:2008.04.23)

でその後のことを耳にしていなかったのだが、先日、同大学の大学院のホームページを見たらお言葉が掲載されていた:
大学院長からのメッセージ

メッセージの中で、浅田彰先生は学生に対し、「私たちをまんまと裏切り、私たちを踏み越えて、私たちには想像もつかなかったような素晴らしい研究や創造を成し遂げること」を期待し、

もしそれが実現できれば、京都造形芸術大学は、日本の、いや世界の文化を、21世紀の新たな地平へと引っ張ってゆく、知的・創造的尖端としての役割を果たすことができるでしょう。あまりに大げさな夢でしょうか? 私は決してそうは思いません。

と締めくくっている。かっこいい文章。

「メッセージ」とかって、結構、事務方(あるいはスピーチライター)の作文だったりするけれど、この文章は間違いなく「浅田節」。相変わらず筆が冴え渡っていると思った。

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コメント

かつて、現代美術家の会田誠が「美術に限っていえば、浅田彰は下らないものを誉めそやし、大切なものを貶め、日本の美術界をさんざん停滞させた責任を、いつ、どのようなかたちでとるのだろうか。」という長~いタイトルの作品を岡崎乾二郎のパロディとして発表したことがありましたが、京都造形芸術大学の大学院長になることで浅田彰がその責任を果たそうということでしょうか(笑)。いや、双方に特に思い入れはないのでユニークだなぁと勝手に感慨に耽っています。ただ、浅田彰にはもう少し頑張ってほしいと期待しています。馬鹿にされるかもしれませんが、やはり中沢新一の思想は魅力的で活躍が目覚しいです。それに比べて浅田彰はやや出番が少ないように思います。次世代の東浩紀もいますが、世代差の為か、やや稚拙に感じてしまいます。なので、ここらでひとつ浅田彰に期待しているところです。そういえば、森毅や山口昌男はどうしているんだろう。ともに、かなりの高齢だからなぁ。年を取るのは寂しいものですね。

投稿: 通りすがり | 2008.06.06 11:46

確かに浅田彰の言説には功罪両面があると思いますが、言論ってそんなものかも、とも思います。浅羽通明が「見えない大学」とかいう著書の中で「陰謀公家」と評していましたが、それも納得がいきます。

仕事の量に関して言えば、中沢新一はエライと思います。純粋には学術とはいえないかもしれませんが、『虹の階梯』のようなチベット仏教に関わる大著を公にしています(この本はオウム真理教の信者によく読まれたとかいう話で、批判を受けているのですが)。中沢新一のように、独自の仕事を公開するという作業が浅田彰には欠けていると思います。小生が中学~高校のときに『構造と力』、『逃走論』、『ヘルメスの音楽』の3つを著したものの、その後、批評か対談集ぐらいしか仕事をしておらず、物足りなさを感じます。

現在、福田和也や宮崎哲弥が幅を利かせていますが、そのぐらい言論したらどうかと思うのですが、浅田先生ご本人はニヒリストを自称しているので無理でしょうね。

・・・ニヒリストのくせに、大学院長を務めるとはこれいかに?

投稿: fukunan | 2008.06.06 20:50

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