3つ目の大赤斑
今回は天文学の話。
木星に「大赤斑」という赤い目玉のような模様があるのをご存知の人もいると思う。これは、木星大気中の台風のような渦のことである。渦と言ってもすごく大きい。地球2、3個分ぐらいある。1665年にカッシーニによって発見されたので、少なくとも3世紀以上は存在し続けている長寿の渦である(実は一度消滅している可能性もあるらしい。詳しくはWikipediaを参照)。
大赤斑のほかに知られているのが、大赤斑の半分ぐらいのサイズの「小赤斑」。「小」と言っても地球一個分ぐらいある。3つの渦が合体してできたという。もとは白かったのだが、2005年ごろに色が変わって赤くなったらしい。
でこのたび発見されたのが3つ目の赤斑である:
木星に第3の目玉が出現 ハッブル望遠鏡が撮影(産経ニュース:2008.5.23)
ハッブル望遠鏡は偉いもので、次々と世紀の大発見をしてくれる。今回のもその一つである。
面白いのが、第3の赤斑と大赤斑は徐々に近づいているということ。8月ごろには衝突するらしい。その頃、珍しい天体ショーとして大きく報道されることだろう。
| 固定リンク
「アカデミック」カテゴリの記事
- 『<学知史>から近現代を問い直す』所収の「オカルト史研究」を読む(2024.05.23)
- データ主導時代に抗して(2023.11.08)
- モンゴル語の"Л (L)"の発音(2022.11.18)
- 『学術出版の来た道』を読む(2021.12.10)
- Proton sea | 陽子の海(2021.06.03)
コメント
大赤斑、だいせきはん・・・。
響きだけ聞くと、なにやらものすごくおめでたいような感じがします。
投稿: おじゃまします | 2008.05.24 18:52
確かに入力しようとすると「大赤飯」になってしまいます。木星では何かおめでたいことがあったのかもしれません。
投稿: fukunan | 2008.05.25 12:03