「馬鹿だなあ」は褒め言葉
オライリー・ジャパンから出ている『Make: Vol. 4』が届いたので点検読書中。
今回の特集は「alt.vehicles 自分だけの乗り物を作る」だが、オタク心を揺さぶるようなものばかり紹介されている。
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オタクにもいろいろあるが、このMake:が対象とするのはMakerという、既製品をそのまま受け入れるのではなく、手を加えたり、まったく新しいものに改造してしまったりする人々である。「やらされている」感や義務感の強い企業技術者ではなく、本能的に好きが高じてものづくりをしてしまう人々である。イノベーションというのは金銭的誘導や国策によって促されるのではなく、こういうMakerによって進展していくのではないかと、読んでいて思う。
さて、alt.vehiclesとして紹介されているのは、以下のように改造自転車ばかりである:
- 三輪自転車実現する「どこでもドライブインシアター」
- ママチャリをチョッパーハンドルにして「ちょいワル」化
- バイクを見せ掛けだけオンボロにして、盗難防止
なんで改造自転車ばかりかと言うと、手を加えやすいからである。さいきんの自動車なんか、電子部品ばかりで改造に向かず、改造したら今度は法規制にひっかっかってしまう。
ここに取り上げられた改造自転車たちに対して、常識人からは「役に立つのか?」とか「かっこ悪いと思わないのか?」とか非難が浴びせられそうだが、技術を我が物にするということこそMakerにとっては重要なのである。
今回の号には世界カボチャ投げ大会の記事も取り上げられている。カボチャを1マイル飛ばすことを夢見るMakerたちが、全長30メートルもあるエアガンや投石器を開発し、実際にチャレンジし続けている姿が紹介されている。小生もMaker魂が少々あるので、肯定的な意味でこの人たちを「馬鹿だなあ」と褒めたいと思う。
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