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2008.03.30

中国の玉(ぎょく)ブーム

今日見たTBS系の番組「報道特集」によると中国ではオリンピックを前にして玉(ぎょく)ブームが巻き起こっているらしい。番組中ではずっと玉と呼んでいたが、ようするに翡翠(ひすい)のことである。

「報道特集」によれば、今度のオリンピックでは金・銀・銅メダルに玉が埋め込まれるそうである。これを機に世界中に玉の文化がアピールされるので喜ばしいと、中国の人々がインタビューに答えていた。

小生は中国人に接する機会が多いので知っているが、中国人はほとんど皆、玉を愛好しており、玉の腕輪をつけていたり、お守りとして首から下げていたりする。ここのところの経済成長で中国国内の玉需要が高まっているのがベースにあり、これに加えて、オリンピックを機に世界中での玉需要が伸びるであろうという期待が玉のブームをまきおこしているのではなかろうか。

砂川一郎『宝石は語る―地下からの手紙―』(岩波新書 黄版248)を読むと、玉=ひすいは「東洋の宝石」だという。中国では(そして中国ほどではないが日本でも多少は)愛好されているが、西洋ではそもそもあまり産出されないことが原因で、あまり宝石として愛好されていないようである。

同書によれば、玉(ジェード)は角閃石族の軟玉(ネフライト:CaMg5Si8O22(OH)2)と輝石族の硬玉(ジェーダイト:NaAlSi2O6)の2つにわかれる。中国国内で産出されるのはネフライトで、緑色、褐色、白色などが入り混じった石で、軟らかく細工に向いている。伝統工芸品や文化財となっているひすい細工はこちらの軟玉製である。硬玉は18世紀以降にミャンマーから中国に輸出されるようになって、はじめて玉扱いされるようになったらしい。硬玉の方は堅いせいか、通常の他の宝石と同じように指輪にセットされる。

「報道特集」では中国国内の和田(ホータン)で採れる玉とミャンマー産の玉を紹介していたが、上述の話からすると、それぞれ軟玉と硬玉だろうと思われる。

硬玉の価値はよくわからないが、小生から見ると、軟玉は加工ができる綺麗な石というぐらいの価値しかない。軟玉細工の価値の重点は石自体よりも精密な細工の方にある。欧米人がお土産として買うとしたら、石の価値ではなく東洋趣味の細工に魅かれて買っているのであろう。

宝石の愛好のされ方というのは文化的側面が強い。中国国内での玉需要は中国文化と密接に絡んでいることなので、オリンピック自体とは関係がないと思われる。世界での需要を見込んでの玉ブームだとすれば、それはおそらく期待外れに終わるだろう。

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コメント

日本で翡翠なんて聞くと、霊感商法の匂いがプンプンし怪しさ満点ですが、中国では身近なものなんですね。

ちなみに翡翠には「閉じた心を開放させるパワーがあり、日本人の閉鎖的な気質を改善するにはピッタリ」だそうです。
余計なお世話だ。

投稿: おじゃまします | 2008.03.31 17:12

いやー中国でも霊感商法に近い感じがありますよ。
出張ついでに観光をしてバスに乗ったら、「翡翠市場」や「水晶市場」に連れて行かれました。お経を歌にした曲がガンガン流れている中、中国の人が「安い安い」と大喜びで買っていました。
小生は心を閉じたまま頑張り抜き、買いませんでしたけどね

投稿: fukunan | 2008.03.31 23:57

お経を歌ですか(笑)
仏罰ちゃんよりバチ当りですね。
買ってる中国人はサクラかな~?
買わなくて正解です

投稿: おじゃまします | 2008.04.01 12:39

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