猫とともに去りぬ
最近数年間の光文社の取り組みは面白いと思う。
光文社新書というシリーズでは、『経済物理学の発見』、『行動経済学 経済は「感情」で動いている』、『技術経営の考え方』など、経済・経営関係の面白い本が出ているし、光文社古典新訳文庫では新訳の『カラマーゾフの兄弟』、『ちいさな王子(星の王子様の新訳)』などの読みやすい本が登場している。
今回紹介するのは光文社古典新訳文庫で昨年9月に出た『猫とともに去りぬ』である。イタリアのファンタジー作家ロダーリの短編集だが、へんてこな内容を予感させるタイトルに魅かれて購入した。
読んでみたが、やはりへんてこな内容である。人々は簡単に猫になったり、魚になったりするし、人と洗濯機との結婚が成立したりする。この本に収録されている短編「チヴィタヴェッキアの郵便配達人」の一文を読むだけで内容の面白さを感じとることができるだろう:
《コオロギ》は少しばかり神経質になっていた。以前、超特急の速達を届けるのに、あんまり急ぎすぎて、速達が出される前の日に届けてしまったときのように、神経が高ぶっていたのだ。
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