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2007.08.24

台湾で考えた

先日、2泊3日で台湾に出張した。

 

過去何回も中国大陸に出張した経験をもとに台北の街を眺めると、なんと綺麗な国なんだろうと思う。同じ中華社会であっても、交通ルールが守られているだけでも大違い。言論もかなり自由らしい。台湾のいい面を見た後で思うのは、この国(国際的には「地域」扱い)が常に大陸側からの脅威に曝されているということだ。忠烈祠の衛兵交代を見物したが、そのときに思ったのは、この精悍な衛兵たちの姿は自由社会を守ろうという台湾市民の意志の象徴なのだろうということだ。

 

台湾で思い起こしたのは最近読んだ本、別宮暖朗著『軍事学入門』のこと。いろいろと目から鱗が落ちる話が多かった。以前は非武装中立の思想に惹かれるものを感じていたが、この本を読んだ結果、自国を弱く見せることこそ戦争を誘発するのだということを認識した。また、容易に降伏することは同盟諸国への裏切り行為であることも認識した。かつて第1次世界大戦でドイツに対して毅然として立ち向かったベルギーの姿は精神的に素晴らしいだけでなく、政治的にも正しいことである。

 

平和とは現状維持であるということの認識も重要である。中華人民共和国の一部でもなく、独立国でもなくという不安定な状況にありながらも、現状を維持するために軍事、外交、経済などあらゆる方面で努力を続ける台湾の姿には、日本も見習うべきことが多いと感じた。

 

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