福壽草(その2)
ここ暫く,小沼丹(おぬま・たん)『福壽草』をぱらぱらと読んでゐる.
この人の随筆の魅力はその随筆が扱つてゐる対象,テエマの魅力よりも,文体のほうにあるやうな気がする.同じことを荒川洋治氏が『夜のある町で』(みすず書房)の中で言つていたやうな気がするが,手元に本が無いので確認できぬ.
『夜のある町で』の中で褒められていた随筆「女子學生」を読んでみた.2頁ほどの短い随筆である.普通の話であつたが,締めくくりの一文が良かつた.これが有るか無いかで随筆の価値がだいぶ変わつただらう.
ところで,この本,以前のブログ記事では,「大事に読まねばならぬやうな気がしてきた」などと書いていたが,実際には寝床で読んでいて,畳の上に置いてゐる.カバアと箱は書棚に保管しているが,本体の扱いはこの有様である.有言不実行であるが仕方が無い.
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