夜のある町で
■荒川洋治『夜のある町で』(みすず書房,1998年)
浜松町のブックストア談で購入.「四六版宣言」というフェアで平積みになっていた.装丁が気に入ったので手に取った.いわばジャケ買いである.
この本はエッセイ集である.著者が詩人だというのは読んでから知った.失礼なことである.文体は平易でユーモアがある.話題は楽しいものが多い.
最もおかしみを感じたのは「これからの栗拾い」.女性のお尻が好きだ,ということから始まる文章を読むと笑ってしまう.投稿と寄稿という言葉の違いに拘った「投げるのか! 寄せるのか?」,詩の朗読に見られる自己満足を批判した「声」,宮沢賢治崇拝者を批判した「注文のない世界」は記憶に残るエッセイである.
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