2017.03.28

ターラー菩薩あれこれ

以前,「仏画を飾る」という記事で,家に「ターラー(多羅菩薩)」の仏画を飾った話を書いた(2014年12月22日)。

今回,チベット仏教徒が多いネパールに来たということで,改めてターラーの絵を買ってみた:

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これは白ターラー。極彩色で美しい。

店主から3500ルピーだと言われたが,3000ルピーにしてもらった。実際は吹っ掛けられているかもしれないが,まあいい。

旧市街パタンのパタン・ミュージアムを訪ねてみたところ,ここにはターラーの像が飾られていた。

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観音菩薩が全ての衆生を救いきれないことを悲しんで流した涙からターラーは生まれたという。

チベット仏教の諸派の中にはターラーを本尊に数える派もあり,とてもありがたい尊格である。

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2017.03.27

ネパールでジェイ・B・バーニーの話を聞いてきた

今,ネパールにいるわけである。とある学会に参加した。

そうしたら,かの高名なる経営学者,ジェイ・B・バーニー(Jay B. Barney)が来ていてなかなか面白い講演をした。

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写真の解像度が低くて申し訳ない (^-^;

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バーニーは

"How to Publish Articles in Top Tier Management Journals"

というタイトルで話をした。どうやったらトップジャーナルに載るような論文が書けるか?という話だが,まず,バーニーが言ったことは

"I don't know"

ということである。とはいえ,こういうことを心掛けなさいという4項目を話してくれた。

A few rules of thumb, but not algorithm:

  • Study what interests you
  • Rejection is common; and part of the publishing process
  • Good writing is essential
  • Persistence is required

当り前じゃないかと思うが,バーニーですら1年かけて5回もリジェクトされたという経験があるということを聞くと,非常に含蓄のあるお言葉に思えてくる。

最後にバーニーは言った:

"Even today, the hardest thing I do is to face a black computer screen; it is also among the most rewarding things I do."

ということで若き研究者たちは,リジェクトに挫折せずどんどん執筆してください。

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2017.03.26

ネパールに来ております

今,ネパールのカトマンズ(カトマンドゥ)に来ている。

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この国は,日本との時差が3時間15分という中途半端なものだったり,土曜日のみが休日で,日曜日は働く日だったり,と不思議なことが多い。

それはそれとして,この日曜日,仕事先から帰る途中に寄ったのが,ネパール最古と言われるスワヤンブナート寺院である。

カトマンズの西の郊外の丘の上に立つ寺院である。

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塔の周りをマニ車が取り巻いている。

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このマニ車を回しながら,塔を右回りに回って,お参りしてきた。

『ラサへの歩き方』という映画を昨年見たことを踏まえ,「オンマニペニフム」と唱えながら。

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修学旅行生だろうか?ネパールの中高生らしき学生たちが境内に大勢いた。

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犬もいた。

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2017.03.25

古事記ファン必見,ディズニーアニメ『モアナと伝説の海』

タイへ向かう飛行機の中でディズニーアニメ『モアナと伝説の海』を見たのだが,これは良い!!

古事記,というか日本の神話ファンは必見である。

最近はあまり神話関係の記事を書いていないのだが,以前,ポリネシアの神話と日本神話の類似性についての記事を書いたことがある(「ポリネシアの神話」2012年7月13日)

『モアナと伝説の海』はポリネシアの神話を題材とする作品だが,小生などはどうしても日本神話との類似性を見出してしまう。

『モアナと伝説の海』はこんな感じの話である:

とある島に生まれ育った族長の娘・モアナは冒険心に富んだ少女だった。しかし,島の掟により,島民たちは環礁よりも外に出られなかった。ある時,モアナは祖母の教えによって自分たちが大海原を航海する民族であることを再発見し,生まれ故郷の島を飛び出した。そして,半神マウイとともに冒険に出,闇を封じ込め,世界に再び平穏をもたらした。モアナは帰郷後,島民たちとともに,再び大航海に乗り出す。

この映画に出てくる半神(demigod)・マウイは,人類に火をもたらしたという点でプロメテウスのようでもあるが,むしろ日本神話におけるスサノオ(スサノヲ)に近いと思った。なにしろ,風と海を司る半神。スサノオも海洋を支配する神であるとともに,暴風神であるとも言われている。マウイとスサノオ。暴力的な側面とともに,人々に恵をもたらすという側面を持っている点がよく似ている。どちらも「まれびと」やんか。

ポリネシアの神話では釣り針が重要なアイテムとなっている。この映画でも,釣り針は重要で,マウイは巨大な釣り針を武器として用いたり,変身の道具として用いたりしている。日本神話の中にも釣り針が重要なアイテムとなっている説話があることはご存じだろう。いわゆる「海幸山幸」神話である。

モアナとマウイに立ちはだかる敵がいる。テ・カアという溶岩の化け物である。噴火による造山活動を神格化したものだろう。ハワイ神話におけるペレや日本神話における三島神(参照:「林田憲明『火山島の神話』を読む」2014年10月21日)を思い起こさせる。

というように,『モアナと伝説の海』はポリネシア神話と日本神話に共通するモチーフが重層的に散りばめられていて,非常に興味深い。

ついでながら,この映画の中盤と最後には,壮大なサウンドとともに大海原を大船団で旅する人々の姿が描かれるのだが,これが,太古,太平洋中に広がっていった人々,一部は日本にもやってきただろうポリネシア系の人々(星野之宣「火の民族」仮説ですな)のことを思い起こさせ,感動的ですらある。

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2017.03.24

明日からネパールへ

明日からネパールのカトマンドゥに行くわけである。

現在はトランジットのため,タイのスワナプーム空港近くに泊まっている。

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タイ周辺国は慣れてきたが,ネパールは未知の国。

さて,どうでしょう?

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2017.03.21

Rでサンキ―・ダイアグラム的なものを書く

エネルギーの流れを理解するためには,サンキー・ダイアグラム(Sankey diagram)という図表を用いると良い。サンキー・ダイアグラムというのはフロー図の一種で,工程間のエネルギー・物資・資金等の流量を表現するのに用いられる。

小生が関わっている分野で言うと,環境工学やエネルギー関連の研究で良く用いられる。

サンキー・ダイアグラムはわかりやすい図表だが,作るのは大変である。

何か良い手はないかと思ったら,Rにちょうどいいパッケージがあった。

"riverplot"

というパッケージがそれである。実は"sankey"というそのものズバリのパッケージもあるのだが,riverplotの方が,説明がわかりやすく,出力される図もきれいだったので,こちらを使ってみる。


◆   ◆   ◆


準備

まず,何としてもパッケージriverplotを入手する。

CRANにあるはずなので,探してみること。


◆   ◆   ◆


riverplotの練習 (1)

A, B, Cという3つのノードがあり,AからCに5,BからCに10が流れるとする。

これをriverplotでフロー図(サンキー・ダイアグラム)にしてみよう。

まず,なにも考えずに,以下のコマンドを打ち込んでいく。

最後に"Enter"キーを押して,次のような図が出てきたらOK。

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◆   ◆   ◆


nodesの説明

さて,コマンドの解説を始める。

どんなフロー図を書くのか,という定義はmakeRiver()という関数を用いて行う。

makeRiver()には最低限,nodesとedgesという2つの変数が必要である。

nodesというのはノード,つまり結束点を定義したデータフレームである。

今回はA, B, Cという3つのノードがある。それぞれのID(識別コード),横軸(x)座標,色(col),名前(labels)を次のように決めよう:

  • ノードA:IDを"A",横軸(x)座標を1とする。色(col)を黄色とし,名前(labels)を"Node A"とする。
  • ノードB:IDを"B",横軸(x)座標を1とする。色(col)をデフォルトの灰色とし,名前(labels)を"Node B"とする。
  • ノードC:IDを"C",横軸(x)座標を2とする。色(col)をデフォルトの灰色とし,名前(labels)を"Node C"とする。

ノードごとにIDやx座標を定義するのではなく,ID,x座標といった属性ごとに定義を行うことにする。

すると,

ID = c("A", "B", "C")
x= c( 1, 1, 2 )
col= c( "yellow", NA, NA )
labels= c( "Node A", "Node B", "Node C" )

となる。色(col)に関しては,NAと書いておけば,デフォルトの灰色が指定される。

これら4つの属性をnodesに収納するため,data.frame関数を使用する:

nodes <- data.frame( ID = c("A", "B", "C"),
x= c( 1, 1, 2 ),
col= c( "yellow", NA, NA ),
labels= c( "Node A", "Node B", "Node C" ),
stringsAsFactors= FALSE )

最後に

stringsAsFactors= FALSE

というのがあるが,今回はこれを「まじない」とでも言っておく。

これで,ノードに関する定義が終わった。


edgesの説明

つぎに,edgesという変数の説明。

edgesというのはノード間の流れを定義したデータフレームである。

今回の例では,AからCに5,BからCに10の何か(水かもしれないし,金かもしれない)が流れるという設定である。

edgesというデータフレームでは,流れの出発点をN1と呼び,流れの終着点をN2と呼ぶ。N1からN2への流量をValueと呼ぶ。

すると,

  • AからCに流量5の流れがあることを:N1 = "A", N2 = "C", Value = 5
  • BからCに流量10の流れがあることを:N1 = "B", N2 = "C", Value = 10

と表すことになる。

流れごとにN1, N2, Valueを定義するのではなく,N1, N2, Valueといった属性ごとに定義を行うことにする。

すると,

N1 = c("A", "B")
N2 = c("C", "C")
Value = c(5, 10)

となる。これら3つの属性をedgesに収納するため,data.frame関数を使用する:

edges <- data.frame( N1 = c("A", "B"),
N2 = c("C", "C"),
Value = c(5, 10))

これで,ノード間の流れを定義できた。

nodesとedgesの定義が終わったので,makeRiver()関数を使って,全体の流れの情報をrという変数に代入する:

r <- makeRiver( nodes, edges )

これで,あとは

plot( r )

と打ち込めば,フロー図が出力される。

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2017.03.20

また,宇部市万倉の古民家レストラン「倉」でランチを食べてきたわけで

昨年の8月下旬にも行った(参照)し,11月下旬にも行った(参照)が,また万倉の古民家レストラン「倉(そう)」に行って,ツマとランチ。

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(↑これは昨年11月下旬に撮影したもの)

何かおいしいものを食べたいなーと思ったらここに来ることにしている。

いつもながら,盛り付けが美しい。

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↑これが前菜。奥が河豚の切り身,手前左がホタルイカ,手前右がトマトとカリフラワーのピクルス。ホタルイカの小皿の奥に桜の花が添えてあるのが乙なもの。

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↑ニンジンのスープ。塩分控えめだが,コクがある。

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↑地元野菜のサラダ。プロシュートが乗っている。野菜は,水菜,カツオ菜,カラシ菜,ワサビ菜といったもの。

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↑鯛のソテーというかポワレというか。

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↑メインディッシュ。宇部牛のステーキである。トマトのソースやトリュフ塩でいただく。紫芋をマッシュしたものや,茹でたロマネスコが添えてある。

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↑デザート3品。奥がカルピスのシャーベット。手前左がプリン,手前右が橙(ダイダイ)のパウンドケーキ。橙のパウンドケーキは苦甘くてとてもおいしい。

県産の新鮮な食材で作られたフレンチ料理がリーズナブルなお値段で味わえるのだから,田舎暮らしも捨てたもんじゃない。

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2017.03.18

『タイタス・アローン』読了。しびれるほどカッコいいマズルハッチの言葉

『タイタス・アローン』を読み終えた。

これで,マーヴィン・ピークによる「ゴーメンガースト」3部作を読み終えたわけである。長い旅だった。

この『タイタス・アローン』は前2作と全く違った趣を持っている。

前作『ゴーメンガースト』で,スティアパイクとの一騎打ちに勝利した後,タイタスはゴーメンガースト城を後にする。

そして本作でタイタスがたどり着いたのは,あまりにも違う世界だった。

摩天楼がそびえ,巨大な工場の煙突からは煙がたなびく。自動車が行き交い,飛行艇が空を横切る。

街の人々は,あの重苦しい儀式と伝統に支配された巨大な城のことなど全く知らず,タイタスがその城主であることも当然知る由もない。

タイタスは戸惑う。その戸惑いは読者の戸惑いでもある。

『タイタス・グローン』
『ゴーメンガースト』,併せて千数百ページにも渡って展開された物語は全くの夢だったのか?

20世紀後半を思わせる大都市の中で,タイタスは狂人のような扱いを受ける。だが,そんな彼にも,マズルハッチやジュノーといった理解者があらわれる。

マズルハッチは舵のような鼻が特徴的な,体格の良い無頼の男である。

そのセリフがカッコいい。

落ち込むタイタスに対してマズルハッチはこう言った:

「生きるんだ。人生を食らい尽くせ。」

「旅をしろ。頭の中で旅をしろ。足でも旅をしろ。汚い服を着て監獄へ向かえ! 金色の車で栄光へ向かえ! 寂しさを満喫しろ。ここはたかが都に過ぎん。立ち止まる場所じゃない。」

「おまえが言ってた城はどうした・・・・・・あの薄暗い神話はよ? これっぽちの旅で引き返すのか? いいや,先へ行くんだ。ジュノーはおまえの旅の一部だ。おれだってそうだ。歩き続けろ。坊主」

『タイタス・アローン』,153頁

「生きるんだ。人生を食らい尽くせ」・・・・・・痺れますね。

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