2016.12.03

【ロシアの飛行機が宇部に来た!】プーチン来るで!

12月15・16日にプーチン大統領が山口に来るわけである。

その先駆けとして,今日,ロシア機が山口宇部空港に来ていた:

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今日の午後,東京出張から帰って来たのだが,なんとこんなところでロシアの飛行機を見ることになるとは。

ちなみにこの飛行機はイリューシン96(Ilyushin Il-96-300,RA-96018)である。

大統領の訪日に備え,宇部空港での離着陸テストのために来たという話。

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2016.11.27

藤井貞和『日本文法体系』を読む

大変な本が出ちゃったなぁ,というのが,日曜言語学者たる小生の感想。

現代日本語文法というと,Wikipediaの記述にもあるように,橋本文法をはじめ,山田文法,松下文法,時枝文法といった4大文法が知られているが,藤井貞和の日本語文法は,日本語文法を成り立ちから見直すという点で他の文法とは大きく異なったアプローチを取っている。

日本文法体系 ((ちくま新書 1221))日本文法体系 ((ちくま新書 1221))
藤井 貞和

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用例の多くは記紀,万葉集,源氏物語から取られているため,「じゃあ現代日本語文法じゃなくて,古文の文法じゃないか」,と言われそうである。しかし,この本が狙っているのは,現代の文法の足踏み状態を脱するべく,源流から文法を見直し,作り直すことにある。例えば,「き」,「けり」,「ぬ」,「つ」等々,過去に関わる助動辞(助動詞)についての考察に始まり,「たり」が現代日本語の「た」になるまでの大いなる流れについて詳しく述べている(この話は別記事で取り上げる)。小生の乏しい言語学の知識からすれば,ソシュール的ではなく,コセリウ的と言えようか?


◆   ◆   ◆


この本の尋常ならざるところは今後,本ブログの中であれこれ取り上げようと思うが,今回ちょっとだけ触れておきたいのが,時間・推量・形容の助動辞(本書では助動<詞>ではなく,助動<辞>と呼ぶ)の整理の仕方である。

著者は過去を表す「き」,現在を表す「り」,形容を表す「し」,推量を表す「む」の4つを取り上げ,次のような四面体,通称krsm立体(四面体)を作り上げている。

Krsm1

そして,これら4つの頂点同士を結ぶ辺の上に新たに組み合わせられた助動辞が生まれることを示している。

たとえば,下の図の赤い辺に着目していただきたい。「き」(過去)と「む(あむ)」(推量)との合成によって,「けむ」という過去推量の助動辞が生まれるのである。

Krsm2

また同じ図で,「き」と「り(あり)」(現在)との合成によって,「けり」という過去から現在に至る有様を描く助動辞が生まれる。

ここで,「き+あむ」が「けむ」になったり,「き+あり」が「けり」になったりするのは,"i + a -> e"という母音同士の合成に関する法則が想定されているからである。

当然他の組み合わせもあり,本書に出てくる時間・推量・形容の助動辞群をまとめると次の図のようになる:

Krsm3

このように時間・推量・形容の助動辞群はでたらめに存在しているのではなく,互いに関連し合って存在しているということをこのkrsm立体は示している。ここら辺は構造主義のようだ。

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2016.11.23

万倉天満宮大祭(秋の収穫祭)

古民家レストラン「倉(そう)」の創作フレンチ料理を堪能した後(参照),すぐ隣の「楠こもれびの郷」で秋の収穫祭&万倉天満宮大祭が開かれていたので,それを見物しに行った。

11月23日は新嘗祭ですからね。

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まあまあの人出である。

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ポン菓子で有名な,山陽小野田の堀内商店が来ていた。

ここのポン菓子はバラエティーに富んでいるのが特徴。定番の米のポン菓子の他,大豆やマカロニといったものもポン菓子にしている。珍しいもの好きの小生としては,大豆,マカロニ,ペンネの3種類のポン菓子を購入した。

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この店は実は先日,火野正平の「こころ旅」(NHK)でも紹介されたお店。

さて,午後2時からは神事が始まった。近くの天満宮から天神様が牛車に載ってやってきた。

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もろもろの禍事(まがごと)を祓い,諸人の幸ひ(さきわひ)を祈願した後,

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奉納の舞が披露された。

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そしてまた牛車に載って天神様がお帰りになって神事は終了:

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年を取って来ると,こういう神事が楽しくて仕方がない。

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宇部市万倉の古民家レストラン「倉」でランチ

以前(8月下旬)にも一度行った(参照)が,また万倉の古民家レストラン「倉(そう)」に行き,ツマとランチ。

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ここのランチは盛り付けがとてもきれいなのである。

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↑これが前菜。手前にあるのがニンジンのピクルス。一番右にあるのがマスカルポーネチーズとサーモンのムース。左奥の小鉢に黄色い花が見えるがその下には河豚の切り身が隠されている。

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↑昼から酒なんか飲んじゃいけないので,イタリアのヨーガというソフトドリンクを頼む。洋ナシ味。ネクターみたいな飲み物。

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↑マグロのカルパッチョ。梨も入っている。そしてかかっているのはイチゴのソース。

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↑タイのソテー。

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↑宇部牛のステーキ。ニンニクとキノコのソース,そしてトリュフ塩を添えて。

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↑そしてデザート4品。

山口県産の旬の野菜や果物をふんだんに使った料理を堪能した後は,すぐそばの「楠こもれびの郷」で開かれている天満宮のお祭りを見物しに行った(この記事次に続く)。

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2016.11.18

ドキュメンタリー映画『聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅』を観てきた件

先週,ツマとともにYCAMで『聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅』という映画を見てきたのだが,今頃になって感想を書いてみたいと思う。

これはヤン・シュミット・ガレ監督によって2011年に制作されたドキュメンタリー映画である。字幕監修はあのケン・ハラクマ

現代ヨガの祖として知られるのがクリシュナマチャリアである。その直弟子たちは2000年代にはまだ存命だった。

そうした直弟子のうち,最も高名なパタビジョイスB.K.S.アイアンガー,そしてクリシュナマチャリアの子供たちを,ヨガ初心者のヤン・シュミット・ガレが訪ね歩き,ヨガの実践と哲学を学ぶというのがこの映画の内容である。

ドイツ人である監督は,パタビジョイスからは太陽礼拝(サン・サルテーション)の,アイアンガーからはシールシャ・アーサナなどの各種アーサナ(ポーズ)の指導を受けた。しかし,ポーズも大事だが,もっと大事なのは呼吸法であるということが本映画の随所で語られていた。呼吸法を無視してヨガのポーズをとることは単なる曲芸に過ぎないということである。

撮影当時,パタビジョイスは93歳,アイアンガーは90歳と高齢だったが,どちらも矍鑠としており,弟子たちを直接指導していた。彼らが長寿で健康的だったのは呼吸法のおかげだろうかと思っている。

クリシュナマチャリアはパタビジョイスに対し丁寧な指導を行った一方,アイアンガーに対しては冷たくあたり,早くに独立させた。アイアンガーはクリシュナマチャリアに無理なアーサナを命じられ,足の肉離れを起こして2か月苦しんだとまで述べていた。

しかし,これは伝統を受け継ぐ者としての素質をパタビジョイスに,新たなフロンティアを開拓する者としての素質をアイアンガーに見出したクリシュナマチャリアの慧眼であろうと柳生直子氏がパンフレットで述べているのだが,実際,その通りだろう。

小生はスポーツジムのスタジオレッスンでアシュタンガヨガや,ヨガ・ピラティスを取り入れたエクササイズを学んでいる。その際,ポーズに気を付けてばかりで,呼吸にまで考えが及んでいなかった。この映画を見て深く反省。

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2016.11.14

今頃,『シグナル&ノイズ』を読む

ネイト・シルバーは2008年および2012年の大統領選の結果をほぼ正確に予測したことで知られている。その彼が主宰するFiveThirtyEight.comが英下院選に続き,今回の大統領選の結果の予測を大きく外してしまったことは大きな話題になっている。

ネイト・シルバーが予測について語った『シグナル&ノイズ』は2012年(日本語版は2013年)に刊行された本であるが,今読み直してみると感慨深いものがある。とくに政治の予測について述べた第2章「キツネとハリネズミ」はそうだ。

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キツネとは,これといった原則を持たず,たくさんの小さな考えを信じており,問題に向けて様々なアプローチを試みる者のことである。その思考や行動は,総合,柔軟,自己批判,用心深さ,経験重視,といったキーワードでとらえることができる。

これに対して,ハリネズミとは,社会現象の根底には,自然法則のような基本原則があると信じている者のことである。その思考や行動は,専門,硬直,秩序追及,自信,イデオロギー重視といったキーワードでとらえることができる。

ネイト・シルバーは政治の世界のような予測困難なところでは,キツネのような態度で臨まなくてはならないと述べている。政治の世界に原理原則があるのであれば,選挙の予測などは天体の軌道のように正確に予測されるだろう。しかし,実際は違う。

FiveThirtyEight.comは英下院選の予測を大きく外した時,キツネのように自己批判を行った:

"What We Got Wrong In Our 2015 U.K. General Election Model" (By Ben Lauderdale, May 8, 2015)

今回の大統領選においても一応,選挙直後に自己批判的な記事を掲載している:

"The Polls Missed Trump. We Asked Pollsters Why." (By Carl Bialik and Harry Enten, Nov. 9, 2016)

FiveThirtyEight.comは今回の「敗戦」を踏まえて,さらに改良された予測モデルを構築していくのだろう。それがキツネのアプローチだからだ。

だが,人々はそう捉えていないかもしれない。人々はただネイト・シルバーが外した,としか記憶しないだろう。今回の「敗戦」はFiveThirtyEight.comにとっては大きな痛手となるかもしれない。


◆   ◆   ◆


『シグナル&ノイズ』は選挙以外の様々な予測についても論じている。小生は経済予測について論じた第6章が気に入っている。そこではビッグデータの落とし穴についてこう述べている:

……ECRIは自分たちのアプローチに大層自信がありそうだ。2004年にはクライアントにこうアドバイスしている。「車を安全に運転するのにエンジンの仕組みを知らなくても大丈夫なのと同じです。経済を測定するのに,複雑な経済の構造をすべて理解する必要はありません」

ビッグデータの時代にあっては,このような考え方が次第に一般的になってきている。たくさんの情報に囲まれているときに,だれが理屈など必要とするだろうか。しかし,予測をするときの姿勢として,これは絶対に間違っている。特にノイズの多いデータを扱う経済の分野では致命的だ。統計的な推論は,理論に裏付けされたときに強固なものとなる。(ネイト・シルバー『シグナル&ノイズ』216頁)

人工知能による言語処理について,ノーム・チョムスキーが述べていたことを思い出させる:

高度な統計分析をしようと試みる数多くの研究がある。…それらは言語の構造を一切考慮せずに,わたしに言わせれば,奇妙としかいいようのないやり方で成果をもたらす。…そこでは,未分析のデータの近似値を求めることが成果と解釈される。…これは,かつてない新しいかたちの「成果」の概念であり,科学の歴史において,このようなものをわたしは知らない。(WIRED Vol.19, 2015年12月1日,50頁)
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2016.11.12

トランプは冷静だが市民が過熱気味:Calexit

大統領選が終わり、トランプは態度を改め、大統領として相応しい振る舞いをするようになってきた。オバマやライアンとの対談を見ると神妙な面持ちで言葉を選んで話している。優れたビジネスマンなので、状況に応じて自分を変えることができるようだ。

トランプが過激な言動を慎んでいる一方で、トランプ支持派、反対派の行動が過激になっている。

トランプ支持者の中にはムスリム系アメリカ人を襲うような者も現れてきているようだ。

反対派、特に若者の行動は過激さを増し、デモが暴動に発展しているところもあるようだ。

"Anti-Trump protesters march for 3rd night; Portland police call it a 'riot'" (CNN, November 11, 2016)

さらにカリフォルニアでは"Calexit"という動きまで出てきた:

"Interest in #Calexit growing after Donald Trump victory" (CNN, November 10, 2016)

カリフォルニアがアメリカ合衆国から独立するのだそうだ。まあ難しいと思うが、トランプが大統領になるぐらい、なんでも可能な世界になったので、起こりうることかも。

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2016.11.10

トランプ勝利と幻の「女性大統領」本

米大統領選。

トランプ氏勝利によって,木村太郎以外のジャーナリストはずっこけ,株価は2日間にわたって1000円を超える急落と急騰を示した。

それにしても,アメリカのメディアではないにもかかわらず,ものすごい落胆ぶりを示しているのが英国の"the guardian"紙である。11月9日の社説では

"Donald Trump: a dark day for the world"

とまで書いている。Brexitのとき(guardian紙はEU残留派だった)よりも落胆の度合いが大きい。

そういえば,ネイト・シルバーの予測サイト"FiveThirtyEight.com"では,Brexitに続いて今回の選挙も予測を外したらしい。というか,FiveThirtyEight.comでは2016年11月8日時点でトランプの勝率を28.6%としていたのであって,トランプが負けるとは言っていない。だが,世の人々はネイト・シルバーがまた外したと考えるだろう。


◆   ◆   ◆


トランプは選挙の仕組み自体を変えてしまった。そのあたりは半年以上前に本ブログで触れた(3月17日「弥生十七日のキュレーション:トランプ特集」)が,ようするにトランプとその選挙参謀たちはテクノロジーの使い方をよく熟知しており,選挙をリアリティーショーへと変え,勝利へと結びつけることに成功したのである。

従来型の選挙しかできなかったヒラリー・クリントンは,トランプの圧倒的な攻勢に対して,むしろ善戦したといえるのではないだろうか?

それはそうと,本記事のタイトルにある幻の「女性大統領」本について。

12月に中央公論新社から『ヒラリー,女性大統領の誕生』という本が出る予定だったらしい。ネットで話題になっている。著者は読売新聞国際部。

「2016年アメリカ大統領選はまれに見る劇場型選挙であった。それを勝ち抜いて米国初の女性大統領として登場したクリントン・ヒラリー。本書は刺激と混乱に満ちた新大統領登場のドラマを徹底取材によって描出する……」

という広告文がついていたものの,各ネット書店から取り下げ。せっかくISBNも取得し値段も決めていたのに惜しいことである。どうせなら出版すれば良かったのに。

じつは米国でも同じようなことが起きていて,Newsweek誌が"Madam President"というタイトルでヒラリーが表紙になっている最新号を出していた……

というか,これは,記念品として作られたバージョン。トランプが表紙になっているバージョンも準備していて,アウトになった方を片付けたらしい。

実は中央公論新社,トランプバージョンの本も準備しているのではないだろうか?『トランプ,男性大統領の誕生』??

だが,トランプの評伝としては先月,既に良い本が出ているので,新しい本は不用かもしれない。

トランプトランプ
ワシントン・ポスト取材班 マイケル・クラニッシュ マーク・フィッシャー 野中 香方子

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トランプは"The Apprentice"とは違って,自分とこの社員に対して"You're fired"とは言わないそうだ。


◆   ◆   ◆


昨日から今日にかけて一番の話題となった米大統領選。

先に述べたようにトランプは選挙を変えた。それに気づいた人もいるが,マスコミの多くは気づかなかった。

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